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タイヤ「残溝」チェックでドライビングを安心に

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雨の日の安全を担う! タイヤ残溝チェックでドライビングを安心に~Weeklyメンテナンス~
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4月までは菜種梅雨(なたねづゆ)の季節、雨が続くと気になるのがタイヤのレイン性能だ。そんな雨の日のドライビングを大きく左右するのがタイヤ、今回は雨を念頭に置いたタイヤ点検を実施した。

◆タイヤ点検時のチェックポイントは“残溝”

再来月には本格的な梅雨のシーズンがやって来るが、その前哨戦として3~4月にかけて菜種梅雨を体験するケースもあるだろう。そんな雨がちな走行シーンで気になるが濡れた路面でのドライビングの安定性だ。ウエット路面はドライ路面に対してブレーキング距離が伸び、コーナーリング時の安定性、さらには高速走行時の安心感など、多くの部分でネガティブ要素が多くなる。そこでタイヤのチェックをして足もとから安心感を確保しておこう。

タイヤのウエット性能はタイヤスペックの中でも上位を占める重要なファクターだ。しかし摩耗していくと同時にウエット性能も低下する、コンディションの良いタイヤで万全のウエット性能を発揮させるために現在、愛車に装着されているタイヤの状態を確認してみよう。タイヤ点検時のチェックポイントは“残溝”だ。摩耗を見る最も重要な点検項目なので定期的にチェックしているドライバーもいるだろうが、このタイミングで残溝を再度点検しておこう。

残溝はトレッドパターンの溝部分がどの程度残っているか(トレッド面がどの程度減っているか)をチェックすることになる。チェックするポイントは溝部分にはスリップサインと呼ばれる溝の底が盛り上がっている部分があるのだが、ここがトレッド表面に島のように露出するとタイヤ使用の限界だ。スリップサインが出ると整備不良となるのでタイヤ交換が必須。しかし、スリップサインが出るまで使い続けることができるのがタイヤライフの前提なのだが、タイヤはすり減ってくると性能が徐々に低下する。そこで残溝を確認しつつタイヤライフと交換時期を確認していこう

◆タイヤの溝とウエット性能の関係

その前にタイヤの溝とウエット性能の関係について説明しておこう。雨天時に走行するとタイヤと路面の間の水膜が入り込む、これがスリップの主な原因になる。そんな水膜を除去して路面にタイヤを確実に接触させる役目を果たすのがトレッド面の溝だ。

そのメカニズムをわかりやすい例で紹介するとレース用のタイヤを想像して欲しい。レースマシンのタイヤは雨の降っていないドライ状態(乾いた路面)ではスリックタイヤと呼ばれるまったく溝の無いツルツルのタイヤを用いるが(グリップ力が高い)、しかし雨が降って路面が濡れると溝のあるレインタイヤに交換する。スリックタイヤでは排水性が悪くウエット路面では十分にグリップしないからだ。一般公道を走るタイヤはドライ/ウエットの両方を1本のタイヤでまかなうためあらかじめ溝が配置されているのだ。

◆溝の深さが浅くなると…

そんなタイヤの溝だがトレッド面がすり減ってくると相対的に溝の深さが浅くなっていく。この残溝はウエット性能に大きく関わってくることはさまざまなテストからも実証されている。

過去のテストデータで新品同様の残溝(約7mm)で濡れた路面を走行した際には、路面の水膜を効率良く排水してタイヤが路面に接触して確実にグリップするのに対して、すり減ったタイヤ(残溝=3.5mm程度)になるとタイヤと路面の間に水膜が入り込む比率が高くなことがわかっている。これがスリップの原因になるのだ。さらに残溝が大きくすり減った状態(残溝=1.6mm程度)になると溝による排水効果が大きく低下して、タイヤの接地面に水膜が入り込み、水膜の上にタイヤが浮いている危険な状態になることもわかっている。新品時に対して2分山まで減ったタイヤだと100km/hからの制動距離が1.7倍に伸びるというテスト結果もある。

そうならないためにも早めのタイヤ交換が重要になる。また最悪の場合はタイヤが水膜の上に浮き上がってしまうハイドロプレーニング現象が起き、ハンドルやブレーキが利かなくなる危険な状態になるので、それを避けるためにもタイヤの残溝の状態は非常に大切なのだ。

◆“タイヤ溝ゲージ”を用意する

タイヤの残溝の深さをチェックするのは普段から確認している&減りが把握できるならば目視で良いが、定量的にどの程度減ったかを知るためには“タイヤ溝ゲージ”を用意すると良いだろう。1000円以下程度で手に入る手軽な測定器なので、ひとつ用意しておいて洗車のタイミングなどで残溝の深さを測っておきタイヤの状態を把握しておくと良いだろう。雨の日の安全性を確保するタイヤの残溝チェックは怠りなく実施しておこう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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《土田康弘》

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