「不適切事案が発覚」とは、思わせぶりにもほどがあるが、実名を挙げられた自動車メーカーは気が気でないだろう。
自動車などの量産に必要な認証である「型式指定」の不正問題を受け、国土交通省が関連メーカー各社に求めた内部調査で、トヨタ自動車やホンダなど複数のメーカーで不適切な事案が見つかったそうだ。
6月1日付けの読売が「関係者への取材で分かった」と朝刊で報じたほか、日経なども追随して翌2日付けで「国交省やメーカーが近く内容を公表する見通し」などと取り上げている。
記事によると、自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証を巡り、トヨタグループのダイハツや豊田自動織機で不正が相次いだことから、国交省は1月末以降、自動車メーカーや装置メーカーなど約80社を対象に、過去10年間の取得時にデータ改ざんなどの不正がなかったかの有無の調査と報告を求めていたという。
その結果、トヨタなど複数社で不適切な事案が発覚し、既に国交省に伝えているそうだ。ただ、悪質性などを含め詳細は明らかになっていないが、書類の記載漏れや誤記載の放置など、手続き上のミスも含まれるという。
自動車業界の品質への信頼が揺らぐ中、国交省はそれぞれの事案を精査、確認し、道路運送車両法に基づく立ち入り検査や行政処分が必要かどうか慎重に検討するとも伝えている。
2024年6月3日付
●脱炭素、日欧が調達ルール、中国念頭価格以外も考慮へ (読売・1面)
●「もしトラ」日本のEV関連企業冷静 「環境対策完全無視できぬ」(毎日・6面)
●原油協調減産来年末まで、OPECプラス、相場維持狙い延長 (産経・5面)
●日EU、水素で国際ルール、純度や安全技術、市場開拓を主導、川重・ダイムラー、供給協力 (日経・1面)