救急車など「特装車」の生産を手がけるトヨタ自動車の子会社「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)」で、遅くとも2022年7月以降、長期間発注を行う予定がないにもかかわらず、下請け企業49社に合計664個の金型や検査用器具などを無償で保管させていたことが、読売などのメディアによって明らかになったのは6月末のこと。
すでに公正取引委員会が、下請け企業に金型を無償保管させたほか不当な返品など下請法違反行為があったとして再発防止を勧告し、損失の補塡を求めたが、経団連の十倉雅和会長も7月8日の記者会見で、トヨタ子会社による「下請けイジメ」の問題について、「非常に遺憾だ」などと述べたという。
きょうの読売が経済面に「トヨタ系下請法違反『遺憾』経団連会長」とのタイトルで取り上げている。それによると、十倉氏会長は、持続的な賃上げの重要性を指摘。構造的な賃上げの定着には「下請けが価格を適切に上乗せでき、下請けへの圧力にならないような企業の姿勢」が必要だとも訴えたという。
下請法は優位な立場を利用した親事業者の不当行為を規制しているが、公取委は下請けイジメの是正に積極的に乗り出しており、多くの下請け部品メーカーを抱えている自動車業界では「一罰百戒」の意味を込めて今年3月には日産自動車が勧告を受けたばかりだった。
2024年7月9日付
●能動サイバー防御、国内への通信監視、重要インフラ限定 (読売・1面)
●トヨタ系下請法違反「遺憾」経団連会長、賃上げの重要性指摘 (読売・9面)
●労働改革、英新政権の約束、「ガソリン車禁止」繰り上げ(朝日・6面)
●日立造船子会社工場に立ち入り、国交省、データ改ざん (毎日・22面)
●日系3社中国で苦戦、新車販売、6月前年割れ (産経・12面)
●海運を日本郵船に売却、ENEOS、LPG運搬船など (日経・15面)