トヨタと独BMW、“苦節10年”燃料電池車開発で提携強化へ[新聞ウォッチ] | CAR CARE PLUS

トヨタと独BMW、“苦節10年”燃料電池車開発で提携強化へ[新聞ウォッチ]

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トヨタと独BMWが燃料電池車開発で提携強化へ。写真はトヨタ クラウンセダン FCEV
トヨタと独BMWが燃料電池車開発で提携強化へ。写真はトヨタ クラウンセダン FCEV 全 4 枚 拡大写真

トヨタ自動車と独BMWが、走行中に二酸化炭素を出さない「究極のエコカー」とされる水素で走る燃料電池車(FCV)の分野で提携を強化することがわかったという。きょうの日経が1面トップに「燃料電池車全面提携、トヨタ・BMW基幹部品で、エコカー市場で巻き返し」とのタイトルで報じているほか、各紙も経済面などに取り上げている。

それによると、BMWとの提携では、トヨタがBMWへFCV向けに水素タンクのほか、発電する燃料電池など水素関連の基幹部品を全面供給するとみられる。トヨタとBMWは2012年6月からFCVで提携してきたが、燃料電池の一部部材の「セル」の供給などの協力にとどまっている。両社は提携の強化に向けて近く基本合意書を交わし、9月5日に公表する予定だとも伝えている。

トヨタは2014年に世界初の量産FCV『ミライ』を発売したが、昨年、世界で1000万台を超える新車販売のうち、FCVはわずか4000台と鳴かず飛ばずの「苦節10年」だった。今回、BMWとの提携強化で「FCVの価格が下がれば、販売拡大への後押しとなる」(読売)との狙いもあるようだ。

FCV関連の提携をめぐっては、トヨタグループの日野自動車と独ダイムラー・トラック傘下の三菱ふそうトラック・バスが経営統合に向けて基本合意。脱炭素社会に向けた水素活用などでの連携が打ち出されたが、日野のデータ不正問題に加えて、独占禁止法などの許認可取得の対応で難航していることからも“白紙撤回”となる可能性もあるという。

今回のトヨタとの全面提携は「BMW側が打診した」(日経)との報道もあるが、“ジャーマンスリー”のBMWの提携強化とともに、日野・三菱ふそうの経営統合計画の行方にも注目したい。

2024年8月28日付

●トヨタ・BMW提携強化へ、燃料電池車開発普及狙う(読売・8面)

●中国EV、カナダ100%追加関税、安価製品の流入防止(読売・9面)

●ライドシェア全国拡大挑戦、大阪のタクシー会社買収ニューモCEO (毎日・7面)

●車いす、トヨタ技術の粋、フルカーボン製パラで疾走へ (毎日・23面)

●社説・EVで3社協業、技術結集し巻き返しを (東京・5面)

●トヨタ、自社株TOB終了、政策保有株取得に8068億円 (日経・16面)

《福田俊之》

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