アメリカの総合玩具メーカー、マテル・インターナショナルが展開する『マッチボックス』は、イギリス生まれのミニカーブランド。1947年に創業した、ダイキャスト製品メーカーにルーツを持つ老舗の銘柄だ。ブランド名は“マッチ箱そっくりのパッケージで販売したこと”に由来し、1953年に命名された。
特徴はリアル路線で、欧州車を中心に、日本車やアメリカ車、はたらくクルマなどを忠実に再現したミニカーをリリースしている。今回は、可動ギミックを組み込んだ「ムービングパーツ」のラインナップに、日本車のみを厳選した『ジャパンシリーズ』が加わった。
リトラクタブルヘッドライトまで再現! MR-2が熱い【ジャパンシリーズ】
まずは「1990トヨタMR2 SW20」。W20型は、日本初の量産ミドシップスポーツである初代『MR2』のW10型に続き、1989年に登場した2代目。エンジンはターボと自然吸気で、3S-G系を積むことから与えられたSW20の型式でも知られる。初代に比べてボディサイズを拡大したのに加え、排気量を1.6リットルから2.0リットルへ変更し、動力性能を大幅に高めている。
1999年の生産終了までに4回のマイナーチェンジを実施し、5つのタイプに分類されるが、今回のモチーフは1型と呼ばれる最初期モデル。初期型のディテールを捉えた造形で、テールライトは角形のレンズを組み合わせた形状だ。実車には一般にノーマルルーフと呼ばれる固定式メタルパネルのほか、左右脱着式のガラス製Tバールーフが設定されたが、ミニカーは後者を表現したパーティングラインが刻まれている。ギミックは、ドアの開閉機構を装備した。
マッチボックスでは、これまでもSW20を何度かリリースしており、リトラクタブルヘッドライトには開閉両方の仕様が存在するが、今回は閉じた状態のスタイリングとなる。
同じくトヨタ車では「トヨタ・ランドクルーザーFJ40」が登場。1960年のデビューから実に24年間にわたって販売され、世界的な名声を確立した「ランクル」の象徴的モデルだ。生産終了後もファンは多く、このスタイリングに着想を得たSUVの『FJクルーザー』も人気を博した。
国内外で製造・販売された上、乗用主体である現在のSUVとは異なり、本格的な悪路走破性を活かしてさまざまな用途に供されたため、車体のバリエーションは数多い。ホイールベースは長短4種類、ボディはソフトトップや2ドアと4ドアのハードトップのほか、ピックアップやキャブシャシーなども設定。消防車を想定した仕様も存在した。今回のミニカーは、ショートボディの2ドアハードトップで、ドアの開閉が可能。明るいグリーンのボディに、ホワイトのグリル周りとルーフのコーディネートが、ゴツいながらもどこか愛らしいFJのスタイリングの魅力を引き立てている。
1978年に登場したS130型こと2代目『フェアレディZ』の海外仕様がダットサンZ。「ダットサン280ZX」は、145ps/23.0kgmを発生するL28E型2.8リットル直6を搭載した。このほか、2.0リットルの自然吸気やターボも用意され、アメリカでは2.8リットルのターボも追加されている。
ボディは2シーターと2×2を設定し、1980年には日本車初のTバールーフも登場。今回のモチーフは2シーターモデルの固定ルーフで、ドア開閉ギミックを備えている。
日産からはもう1台、現役EVの「2020 日産 リーフ」がメンバー入り。『リーフ』は初代が2010年に発売され、2017年にフルモデルチェンジで現行の2代目へ移行している。当初、バッテリーは40kWhのみだったが、2019年には62kWh仕様が加わった。
また、2018年にはスポーツグレードのニスモを追加。内外装だけでなく、ステアリングや車両制御コンピューターのプログラムも変更された、ワークスチューンEVだ。翌年には、プレミアム感を強めたカスタムグレードのオーテックが発売。今回の深いブルーのボディとブラックルーフというカラーリングは、このオーテックの専用色を思わせ、初代より精悍になったエクステリアをよりシャープに見せている。搭載ギミックはドア開閉だ。
三菱の歴代車種の中でも、とくに根強いファンが多い『ランサー』からは、新旧2台がピックアップされた。「1975 三菱 ランサーセレステ」は、『ギャランFTO』の後を受けて1975年に発売。ラテン語で青空を意味するサブネームを持ち、ロングノーズや、ルーバー風クオーターウインドウがスポーティなファストバッククーペだ。
1978年にはマイナーチェンジで角形ヘッドライトを採用するが、今回のミニカーは初期の丸形ライト仕様で、逆L字型の個性的なテールライトもバッチリ再現。ボンネット開閉ギミックにより、直4縦置きのエンジンルームを眺めて楽しめる。
そして、ランサーの歴史で外せない「ランエボ」からは「1994 三菱 ランサーエボリューションIV」、いわゆるエボIVが選ばれた。ランサーのフルモデルチェンジで、ベースとなるボディを一新したエボIVは、ステアリングやブレーキなどのデータをもとに左右後輪の駆動力をコントロールするAYCの導入で旋回性能を格段にアップ。ランエボの速さを支えた4WDのハイテク化も、ここからエスカレートしていった。ギミック付きのボンネットを開けば、280psを叩き出した4G63エンジンのサウンドが脳裏に甦りそうだ。
パッケージは水彩画風のイラストが描かれた、ペーパーボックスタイプを採用。昔ながらのマッチボックスの姿を思わせる、レトロテイストな仕様となっている。
70年以上に渡って世界中で愛される「マッチボックス」 8/31-9/1開催の東京おもちゃショーで実物に触れるチャンス!
70年を超える、長い歴史を持つマッチボックスには、今回紹介した以外にも、多彩な車種やシリーズが揃っている。店頭やネットショップで、その豊富なバリエーションを手に取ってみてはいかがだろうか。そんな魅力たっぷりのマッチボックス「ジャパンシリーズ」の価格は各605円(税込)。
なお、マッチボックスを展開するマテル・インターナショナルは、8月31日・9月1日に東京ビッグサイトで開催される東京おもちゃショー2024に出展。同社が扱うもうひとつのミニカーブランド、ホットウィールのラインナップ展示などを実施する。ミニカー好きならこちらも要チェックだ!
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