NECは10月10日、宿泊・運送・OTAなどの観光事業者と共同で、新サービス「Travel Light」の提供を11月から開始すると発表した。
このサービスは、ホテルのプリチェックインと大型荷物の空港からホテルへの配送を組み合わせたもので、オーバーツーリズム解消に向けた取り組みの一環だ。
「Travel Light」は、観光庁の「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」に採択された。大阪、京都、東京の順で展開される予定だ。
訪日外国人観光客数は急速に回復しており、2023年は約2500万人、2024年にはコロナ禍前の2019年を上回る水準になると予想されている。一方で、観光地では交通渋滞や公共交通機関の混雑、騒音、ごみの不法投棄などの課題が顕在化している。
NECは、これまでのホテル業界向け「スマートホスピタリティサービス」の実績を活かし、大阪観光局との協力のもと「Travel Light」の枠組みを構築した。外国人観光客の大型荷物を到着空港から直接ホテルへ配送することで、公共交通機関の混雑緩和や歩行者の安全確保を図る。
さらに、荷物の配送手続きとホテルのプリチェックインを同時に行うことで、ホテルでのチェックイン時の混雑緩和も期待できる。
サービスは10月10日からKlookのWebサイトで予約可能となり、丸和運輸の物流システムを活用して販売を開始する。2025年の大阪・関西万博を見据え、関西地区を皮切りにサービス提供を行う予定だ。
NECは今後、運送事業者やOTA(Online Travel Agent)などの共創事業者を増やしながら、首都圏やその他地域へと提供地域を拡大していく。