寒さが身に染みる季節の師走もまじかに迫っているが、世界の自動車メーカーでは一足早くリストラの寒風が吹き荒れているようだ。
世界の生産能力を20%削減し、全体の1割弱に当たる9000人規模の人員削減に踏み切ることを公表した日産自動車では、北米法人で2024年4~9月期に募集していた希望退職に対し、従業員の約6%が応募したという。
きょうの産経など各紙が「日産の希望退職、米で6%が応募」などと報じており、詳細な削減人員は公表していないものの、900人程度とみられる。応募した従業員は2024年内に退職する予定で、今回の希望退職は間接部門が対象だという。
また、2025年秋までに東南アジアの主力拠点であるタイでも約1000人規模の従業員について、人員削減や配置転換を行うという報道もあるなど、業績不振を受けて世界で9000人規模という大リストラ計画の一環が伝えられている。
一方で、米フォード・モーターでは、2027年末までにドイツと英国で世界の従業員の約2%に相当する4000人の人員削減を実施すると発表。ドイツの電気自動車(EV)補助金停止に伴う販売減や中国勢との価格競争が背景にあるようで、「欧州ではドイツなど現地勢だけでなく米国勢でも販売不振が深刻になっている」(日経)とも取り上げている。
さらに、自動車大手ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の第3回労使交渉が開かれる予定で、きょうの日経によると、組合側が賃上げ実施の先延ばしなどによるコスト削減で工場閉鎖や人員削減を回避する対案を提案したが、経営陣はリストラ計画の撤回に応じないとみられており、12月以降の大規模ストライキは避けられず、長期混迷が必至な状況だという。
振り返れば、2008年秋のリーマン・ショック後の年末には派遣切りなどで年を越せなくなったリストラ困窮者のために東京の日比谷公園には「年越し派遣村」という避難所が開設されたことを思い出すが、今年の大みそかは、はて?
2024年11月22日付
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