『アウトメカニカ上海2024』会期初日に目を引いた“ジャパン・パビリオン”を取材 | CAR CARE PLUS

『アウトメカニカ上海2024』会期初日に目を引いた“ジャパン・パビリオン”を取材

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『アウトメカニカ上海2024』会期初日に目を引いた“ジャパン・パビリオン”を取材
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世界主要14都市で開催されている国際自動車産業見本市「アウトメカニカ」の中でも、アジアで最大規模を誇る『アウトメカニカ上海 2024』が、中国・上海のNational Exhibition and Convention Center 14ホールにて12月2日に開幕した。

今年で20周年を迎えた同見本市は、昨年比16.7%増となる35万平方mの巨大な見本市会場を設け、世界各国の自動車アフターマーケット関連事業者が6,763社出展。世界に先駆けて急速にEV普及が進む中国企業の最新製品・サービスを中心として、ヨーロッパやアメリカなども含めたグローバルな自動車アフターマーケット関連商材が集結して最新技術が披露される場として12月2日~5日までの4日間に渡って開催される。

会期初日で特に目を引いたのは、イタリア、ドイツ、スペイン、オーストラリア、タイ、マレーシア、トルコ、台湾など17カ国のパビリオンエリア。世界各国の自動車関連企業がブースを構えるグローバルな見本市であることが強調されており、この中に“ジャパン・パビリオン”もあった。この周辺には興味深い日本企業が出展しており、特に印象的だった数社をピックアップして紹介する。

made in Japanを強調したフルード製品群

部品卸商社の辰巳屋興業株式会社(愛知県名古屋市/櫨巳芳代表取締役社長)は、2004年設立の上海太子美雅貿易有限公司として出展。同社は海外の展示会にも積極的に出展しているが、中国・上海は初出展とのこと。同社ブースで取材に対応した櫨巳芳社長は「上海太子美雅貿易有限公司の設立から今年でちょうど20年となったことと、最近の中国マーケットの勢いも鑑み、今回初めて出展しました。今日は会期初日ですが、商談ブースが常に混雑して想像以上の手応えを感じます」と語った。実際、ブース内の商談スペースには中国はもちろん、中東や欧州からの来場者も多く見受けられ、同社が掲げるmade in Japanの安心感と日本製品の確かな品質を求める来場者の興味を誘ったようだった。

ブースの出展内容は、made in Japanを強く打ち出したフルード製品群である「ALPHA’S」ブランドを中心に、日本国内でも取り扱いのあるメーカーの製品群が並び、日本の高い品質を訴求する内容となっていた。

“MAGURO”が目を引くエンジンパーツの補修部品

2017年設立で、エンジンシリンダーライナーやピストン、シリンダーガスケットほか、エンジンコアコンポーネントの製造を専門とする日本扶商株式会社(東京都杉並区/清水健太郎社長)は、ブース全体の装飾が目立つ明るい紫色で統一されていたことに加え“MAGURO 魚牌” “FUSA 扶商”という変わったネーミングの2つのブランドを訴求し、注目を集めていた。特に魚のマークを施した“MAGURO 魚牌”ブランド は、エンジンパーツとどのような関連があるのか?と来場者の興味を誘っていた。

同社の中国総代理店を務める、広州扶商缸套有限公司の陳裂宏ゼネラルマネージャーは「我々のブースを訪れる人は、なぜマグロ?とお思いの方がほとんどです。ただ我々から見るとマグロは世界的に価格は高いですが、美味しい。つまり品質はピカイチです。日本発の企業として、品質を重視するブランドのネーミングとしてこれ以上無いものだと思いました」と語った。なお同社のエンジン部品は、国産車のほか、アメリカや欧州、韓国などの車種をカバーしているほか、建機、発電機、商用車、農機、船舶等の電力分野で幅広く使用されている。

製造ラインでの採用を目指す3次元加飾ハードコートフィルム

建築材料や接着剤の製造・販売を行うアイカ工業株式会社(名古屋市中村区・海老原健治代表取締役)は、自動車外装向け3次元加飾ハードコートフィルム「ルミアート」を出品していた。同商材は、高いハードコート性能を持ちながらも、後加工や成形性に優れ、成形後の紫外線硬化も不要。塗装よりもCO2排出量の削減が可能で、光化学スモッグ等の原因物質の一つであるVOC(揮発性有機化合物)の放散がなく、作業環境や地球環境にも配慮したサステナブルなクルマづくりを行える点が特徴とのこと。

新車製造時に活躍する技術として訴求されており、中国EVメーカーをはじめとする自動車メーカーの新車製造ラインへの採用を目的に訴求されていた。ラッピングフィルムやプロテクションフィルムのようにアフターサービスとして施工する想定はないとのことだったが、今後の可能性を感じる商材だと感じた。

《カーケアプラス編集部》

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