ポルシェは、オーストリアのツェル・アム・ゼーにおいて、「第5回F.A.T.アイスレース」を開催した。約5500人の観客が訪れ、雪に覆われた山々を背景に、歴史的な名車から最新の電気自動車まで、様々なクラスのレースが繰り広げられた。
このイベントは、ポルシェ創業者の甥であるフェルディナンド・フェルディ・ポルシェ氏が2019年に復活させたもので、若い世代向けの伝統的モータースポーツイベントとして定着しつつある。雪と氷の上で行われるレースは、歴史的な車両と現代の車両が共存する独特の雰囲気を醸し出している。
ポルシェは、電気自動車『タイカン』の雪上での性能をアピールした。タイカンは2つのモーターを搭載し、アクティブなトルク配分を可能にする電気アーキテクチャを採用している。これにより、雪上でも高いパフォーマンスを発揮した。
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また、ポルシェミュージアムからは貴重なコレクションが出展され、観客を魅了した。1984年のパリダカールラリーで優勝したポルシェ『911カレラ3.2 4x4パリダカール(953)』や、1986年のパリダカールラリーで優勝したポルシェ『959パリダカール』などが、雪上でその性能を披露した。
さらに、ル・マン24時間レースの雰囲気も感じられる『962ダウアー・ル・マンGT』も登場。1994年にポルシェに13回目の総合優勝をもたらした車両だ。
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F.A.T.アイスレースは、単なるモータースポーツイベントではなく、文化的な祭典としての側面も持つ。ライフスタイルやファッション、そして世界的な自動車コミュニティのショーケースとしての役割も果たしている。
フェルディナンド・ポルシェは、若い頃にツェル・アム・ゼーで休暇を過ごした経験から、この地域に素晴らしいモータースポーツイベントをもたらした。F.A.T.アイスレースは、伝統がいかに若々しく感じられるかを示す、世代を超えた魅力的なイベントとなっている。