日産、野生動物の安全確保へ新プロジェクト…絶滅危惧種アマミノクロウサギのロードキル防止を目指す | CAR CARE PLUS

日産、野生動物の安全確保へ新プロジェクト…絶滅危惧種アマミノクロウサギのロードキル防止を目指す

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クルマと野生生物の接触事故(ロードキル)ゼロを目指す「NISSAN ANIMALERT PROJECT(日産アニマラートプロジェクト)」
クルマと野生生物の接触事故(ロードキル)ゼロを目指す「NISSAN ANIMALERT PROJECT(日産アニマラートプロジェクト)」 全 16 枚 拡大写真

日産自動車は3月3日の「世界野生生物の日」に合わせ、野生動物とクルマの接触事故(ロードキル)防止を目指す新プロジェクト「NISSAN ANIMALERT PROJECT」を開始すると発表した。

このプロジェクトでは、歩行者に車両の接近を知らせる電気自動車の接近通報装置の技術に着想を得て、動物にも車の接近を知らせる装置の導入を行う。第1弾として、奄美大島と徳之島にのみ生息する絶滅危惧種アマミノクロウサギ*の保護に取り組む。

日産自動車は奄美市、環境省、岡山理科大学、T.M.WORKSなど7団体と連携し、産官学一体となってプロジェクトを推進する。実証実験の開始に伴い、プロジェクトムービーとインタビュームービーを日産自動車公式YouTubeチャンネルおよび公式SNSで公開。

奄美大島では、2021年7月の世界自然遺産登録以降、ロードキル問題が深刻化している。環境省の調査によると、アマミノクロウサギのロードキル件数は7年連続で増加し、2023年には過去最多の147件を記録した。

日産自動車はこれまでも、「#猫バンバン」キャンペーンや災害時の電気自動車提供など、動物愛護に関する活動を積極的に行ってきた。2010年12月には世界初のEV量産車 日産『リーフ』に接近通報音を標準装備し、その後の国際規則制定にも貢献。今回のプロジェクトはこの知見を生かし、動物保護にも取り組めないかという発想でスタートした。

日産テクニカルセンターでの高周波音特性の分析、奄美大島での設置型デバイスによる実験などを経て、2024年12月からは実際にテストデバイスを装着した『サクラ』での走行実験を開始しており、効果が検証されているという。

日産自動車は、このプロジェクトを通じてアマミノクロウサギのロードキル件数の抑制を目指すとともに、将来的には全国各地で発生している野生生物のロードキル問題の解決にも貢献していく。

*鹿児島県奄美大島と徳之島にのみ生息する日本固有種。レッドリストで絶滅危惧IB 類(近い将来に絶滅の危険性が高い種)に指定されている

《森脇稔》

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