クルマの鈑金塗装を行う車体整備事業者を対象にした、新しい外板修正を学べる「瀬迺木流 総合外板修正術 基礎研修」が静岡県御殿場市の株式会社カマド(小林雅彦代表取締役社長)にて3月22日・23日に行われた。
同研修は、クルマの外板パネルのヘコミ補修において、パテ埋めや再塗装を行わずハンマーツールなどを使用して平滑にする “ デントリペア ” の技術を複合的に取り入れた独自技術「瀬迺木流 総合外板修正術」を確立した瀬迺木信道氏(群馬県太田市・株式会社セノキ)が講師を務め、株式会社カマドで鈑金塗装を行う5名(20代の若手社員3名とベテラン社員2名)が受講した。

瀬迺木氏は実技だけではなく、図解やわかりやすい言葉を使いながらレクチャー。「瀬迺木流の外板修正術は、1日や2日で習得できるものではありませんが、ヘコミの原理を理解して粘り強く継続的にハンマーワークを繰り返すことで、外板パネルのちょっとした “えくぼ ” のヘコミ程度であれば短時間で平滑にできるようになると思います」と話し、ヘコミの原理を理解して凹凸を直すことが重要だと強調していた。


瀬迺木氏はどのようにして独自技術を確立したのか尋ねたら、根底にあったのは “ カーオーナーの大切な愛車の価値を守るために最適な方法で直したい”という強い思いだった。
瀬迺木氏は自身が創業・経営する鈑金塗装工場「セノキモータース」で国産・輸入車を問わず旧車から最新型のASV(先進安全自動車)まで幅広い車種のボディ補修を行う上で、クルマの価値を下げずに自然環境にも優しい修正技術を確立すべく、デントリペアの手法に着目。独学やスクール受講、海外修行などでデントリペアの技術習得に注力し、長い時間をかけて鈑金塗装とデントリペアの技術を複合的に取り入れた「瀬迺木流 総合外板修正術」を編み出したことを教えてくれた。


研修を受講した鈑金塗装スタッフに、研修で得られたものがあったか尋ねたら「瀬迺木流の外板修正術を身につけて、えくぼを平滑にできるようになれば、これまでスタッド溶接機で外板パネルのヘコミを引き出したり、パテ埋めで平滑にしてから再塗装するといった工程を省けるので、大幅な作業時間の短縮になると思う」とコメント。だが懸念点もあるようで「長年実践してきた鈑金塗装の方法とは考え方や発想が異なっているので、頭の中をリセットできないと難しい」と話す鈑金塗装スタッフもいた。
またこの日は、講師の瀬迺木氏と親交が深く、瀬迺木流 外板修正術を高く評価している小野隆二氏が瀬迺木氏のサポートとして参加していた。小野氏は、アストンマーティン、ジャガー、ランドローバー、テスラ、ランボルギーニといった各メーカー認定修理工場の資格を取得している株式会社ビーライト(大阪府箕面市)の創業者であり、日本国内に限らず海外のエンジニアに技術指導を行っている人物だ。うまくコツを掴めず苦戦してた鈑金塗装スタッフに対して小野氏が鈑金塗装職人の目線でアドバイスしている場面があり、鈑金塗装スタッフたちは小野氏の言葉からヒントを得て熱心にトレーニングを行っていた。

車体整備事業者が瀬迺木流 外板修正術の基礎を身につけることで、これまでの鈑金塗装作業で必要となる様々なコストが削減され、作業スピードが上がり、環境負荷低減にもつながるのではないかと感じた。
なお、2025年4月11日(金)に群馬県太田市の「太田市産業支援センター 多目的研修室」にてARCネットワークサービス主催(株式会社ジェイシーレゾナンス)の『フロントコンプライアンス対応研修 車体整備編』が行われ、座学研修終了後に太田市内の株式会社セノキ セノキモータースに移動して、瀬迺木氏によるデモンストレーションが予定されている(※デモのみで瀬迺木氏による実技研修は無し)。同研修の詳細はARCネットワークサービス公式サイトで確認できる。