タクシー、バス、救急車、警察車両まで!?…第5回商用車ミーティング関東に70台 | CAR CARE PLUS

タクシー、バス、救急車、警察車両まで!?…第5回商用車ミーティング関東に70台

イベント イベントレポート
第5回商用車ミーティング関東
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千葉県長柄町都市農村交流センター前駐車場で4月19日、「商用車ミーティング関東」が開かれ、タクシーやバス、緊急車両、なりきりの警察車両など70台の「はたらくクルマ」が集まった。

旧車イベント花盛りだが、商用車となると肩身の狭い想いをするのが常……。そんなタクシーやバス、トラックなど「はたらくクルマ」を自家用とするオーナーに交流の場を提供しようと始まったイベント。今回で5回目の開催となった。

主催は自家用バスなどの愛好家が集まって運営している千城企画交通部。その幅広いネットワークによって様々な車両が集まって来た。参加条件は、はたらくクルマ。タクシー、緊急車両、社用車、トラック、バスなどの商用系で、基本的にマイカー(中にはホンモノも)という形で楽しんでいる70台だった。

目立っていたのはやはり車体の大きなバス。日産ディーゼルのシャシーに富士重工業製ボディを架装した元路線バスの『8E』は、千城企画交通部の八良(はちよし)さんのマイカー。そうしたマイクロバスから中型バス、大型バスまでがずらりと並んだ。三菱ふそうの『エアロエース』(2008年)は北陸と関西を結ぶ高速の路線バスを自家用としたもので、走行距離は199万km。「狭い道を曲がったりバックしたりは大変気を使いますが、道なりに真っすぐ走るには楽ちんです」という若き男性オーナーだった。トヨタ『クラウン』や日産『セドリック』などのタクシーも数多く並び、どこか観光地の立ち寄り駐車場の様相を呈した。

一方、警察関連の「なりきり」車両の展示スペースは独特な雰囲気を醸し出していた。トヨタ『マークX』(2010年)はパトライトやフラッシュビーム、サイレンアンプ、デジタル簡易無線などで捜査用車両になりきり。略帽や捜査用ベストで身を固めたオーナーは「ノーマルですが速いし、よく止まるし、やはりパトカーベース車両になるだけはあります」と話した。

トヨタ『アリオン』(2009年)はもと神奈川県警にあった捜査車両で本物。パトライト用コンセントやタブレット用のタフパットなどは当時のままだという。リアドアに残る、犯人を制圧した時にできたという傷が生々しかった。

白バイのスズキ『GSF1200P』(2004年)も、神奈川県警で取り締まり業務にあたっていたという車両。取締り用デジタルメーターや大容量のオルタネーター、冷却用のファンはそのまま。ミッションは加速重視で6速から5速になっているのだとか。オーナーは白バイや交通安全講習のボランティア運転指導員とのことで、正規に車検を再取得した後、ツーリングなどで楽しんでいる。誤解を生まないよう走行時は赤のパトライトは青に変更した上にカバーもかけているという。

消防自動車は2台。日野『デュトロ』(2007年)はもとさいたま市で働いていた車両で、払い下げ後、中古車屋にあったのを購入。サイレンや赤色灯などは外している。この車両を「でかい水鉄砲」というオーナーは「ノリで買ってしまった」。買い物などの普段使いもしているというから驚く。

非常に珍しかったのは、スズキ『スズライト』バン(1968年)。2代目の最終型でグレードは「デラックス」。360cc空冷2サイクル直列2気筒の前輪駆動車だ。オーナーは30代の夫妻で、奥さんがスズキ歴史館にあった同型車の可愛さに一目惚れ。ある縁があって最近手に入れたという。「ムーンライトグレー」の外装色や内装などはほとんどオリジナルを保っており、ナンバーを取得して自走できる個体は貴重な存在だろう。純正オプションのラジオのアンテナは、何と電動というのもびっくりであった。

このほか、三菱『パジェロ』をベースに自衛隊向けにカスタム化された『73式小型(1/2t)小型トラック』や、メトロポリタン型と呼ばれるボンネットタイプのトヨタ救急車『FS55V』(1971年)、いすゞ『エルフ』のシャーシにヤナセがバスボディを架装した元検診車(1983年)、副変速機付き4WDのスバル『レオーネ』バン(1992年)、農家向けに開発された営農『サンバー』トラック」(1981年)、富士重工業が製造販売していたスクータータイプのオートバイ『ラビット』S301(1968年)などと、様々なはたらくクルマが並んだ。

今回、「若い人や新しく商用車に乗り始めたという方が多くてびっくり」という八良さんは、「自家用で働くクルマを持つという輪が広がっているのを実感しています。なかなか出会えないオーナーさんたちが、このイベントをきっかけに情報交換などできていければ」と話していた。

《嶽宮 三郎》

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