トランプ米政権が4月3日に発動した輸入車への追加関税により、米国の自動車市場では新車の販売価格の値上げを警戒した「駆け込み需要」が叫ばれているが、トヨタ自動車やホンダなどの4月の販売動向からもそのような傾向が明らかになったようだ。
国内の乗用車メーカー8社が発表した4月の米国販売実績によると、トヨタ自動車は前年同月比10.0%増の23万3045台、ホンダが18.1%増の13万7656台。さらに、マツダが21.0%増の3万7660台と大幅に増加したほか、米国販売が全体の6割以上のシェアを占めるSUBARU(スバル)も5万6011台と0.3%の微増だがプラスだったという。
一方、業績不振にあえぐ日産自動車は3.7%減の7万2544台で、需要が拡大するハイブリッド車(HV)の投入が遅れているために苦戦。販売奨励金を減らした三菱自動車も37・5%減の4486台の落ち込み。
きょうの産経が「米販売に駆け込み需要、4月、トヨタ・ホンダ2桁増」との見出しで報じているが、一方で日経のタイトルは「米へ車輸出、大幅減なく」。「トランプ米政権は4月に米国が輸入する自動車に追加関税を発動したが、米国向け輸出の大幅な減少はなかった」として輸出にスポットを当てて掲載。
具体的には「三菱自動車は1%増の1万79台、トヨタは米国向けが8%増の5万4755台。現地生産が大半のホンダは米国向けの輸出が6.2倍の3419台。同社は米国向け『シビック』のハイブリッド車(HV)の国内生産を6月にも現地生産に切り替えるが、国内で2~3月までに約3000台を生産していた」とも伝えている。
ただ、マツダの4月の北米向けの輸出台数は10%減の2万4488台と落ち込んだが、そのトランプ関税についても、米国際貿易裁判所が出した追加関税の差し止め命令についても、一夜明けてその執行を一時停止するなど二転三転。自動車などを含めた関税の撤廃を求めている日米交渉も不透明のなか、日本車の米国販売の行方も気になるところだ。
2025年5月30日付
●「交通白書」解消民間主導、国交省新制度、再編計画立案可能に (読売・2面)
●AI自動運転開発促す、戦略案発表、海外技術加速に懸念 (読売・6面)
●トランプ関税差し止め命令、米国際貿易裁、大統領令「無効」 (朝日・1面)
●数字は語る、1車種、新車ランキング入りクーペ、一世を風靡 進化して逆風に挑む (朝日・20面)
●筒井経団連スタート、副会長トヨタ・佐藤社長ら (産経・1面)
●米販売に駆け込み需要、4月、トヨタ・ホンダ二桁増(産経・9面)
●EV用半導体を断念、ルネサス中国勢台頭が逆風に (日経・1面)
●三菱ふそう東南ア攻める、EVトラック、比などに初投入、中国勢に勢い、猛追かわす (日経・14面)
●いすゞ株4%、12社が売り出し、自社株買い500億円 (日経・16面)