2026年2月12日(木)~14日(土)まで開催された「第23回 国際オートアフターマーケットEXPO 2026(IAAE 2026)」では、深刻な人手不足という業界共通の課題に対し、効率化や省力化を軸とした具体的な解決策が数多く示された。自動車アフターマーケットの現場を支える技術として、各社がどのようなソリューションを訴求していたのかをまとめたい。
ガラスリペアの「半自動化」でマルチタスクを実現
自動車ガラス補修の分野で、ウルトジャパン株式会社とPanther-Pro Tools(英国)が訴えかけていたのは、デジタル式ウィンドリペアシステムによる作業の半自動化である。従来の手作業では、技術者がリペア工程に付き添う必要があったが、本システムは損傷の種類を選択してスタートさせるだけで、あらかじめ設定された手順に沿って自動的に工程が進む。これにより作業者は他の業務を並行して行う「マルチタスク」が可能となり、これまで拘束されていた時間を有効活用できるメリットを強調していた。


OBDII型デジタコによる運行管理のデジタル化と負担軽減
ロードサービスの運行管理の面では、株式会社あかつきが日本初となるOBDII型デジタコ「OD420JP」(株式会社Will Smart)の導入メリットを訴求していた。従来のデジタコは設置に複雑な取り付け作業が必要だったが、本製品は車両のOBDIIポートに差し込むだけで設置が完了する。走行データはリアルタイムでクラウドへ送信されるため、法定の記録管理においてSDカードを物理的に移動させる手間がなくなる。これにより、特に管理負担の大きいロードサービス事業者の事務効率化を提案していた。

エーミングの位置出しを「1人・5分」で完結
自動車整備や鈑金塗装を行う事業者に不可欠なエーミング作業の効率化において、株式会社ニフコは「Solo Set(ソロセット)」の革新性を訴えかけていた。ADASセンサの校正におけるターゲットの位置出しは、従来2人1組で十数分を要するアナログな作業であった。これに対しSolo Setは、専用マーカーとカメラを用いた計測により、この作業を「1人・約5分」で、かつ熟練度に左右されない高精度(±5mm以内)で完結させる。慢性的な人手不足に悩む整備現場に対し、省人化と収益性向上の両立を強力にアピールしていた。

AI搭載塗装ロボットが職人不足を解決
さらに、鈑金塗装における職人不足の解消に向けて、ニジェス株式会社はAI搭載塗装ロボット「Paint Go」による自動化を訴求していた。同社は、海外ではトヨタのディーラーやテスラの認定鈑金塗装工場に採用されている実績や、無駄のない塗布による塗料使用量の削減、さらにはゴミ(ブリスター)付着の減少による磨き工程の効率化などを強調していた。高温になりがちな塗装ブース内での作業をロボットが代替することで、労働力不足を解消しつつ、業務効率を劇的に向上させることが可能であると説いていた。

これらの出展企業は、単なるツールの紹介にとどまらず、技術によって人的資源の制約を克服し、持続可能な事業運営を可能にする次世代の現場像を示していた。

