非接触でドライバーの脈拍を測定できるセンサー、オムロンが開発

オムロンオートモーティブエレクトロニクスは、車載環境下で高精度に脈拍を測定できる非接触脈拍センサーのプロトタイプを開発した。

ドライバーの疲労による居眠りや疾病発症に起因する自動車事故が増える中、事故の未然防止に向けて運転中のドライバーの健康状態をモニタリングし、異常を早期に検出するニーズが増している。今回開発した技術は、非接触脈拍センサーにより運転中のドライバーの脈拍をモニタリングすることで、眠気の状態を脈拍数の変化から推定するなど、ドライバーの異常状態を早期に検出することが可能となる。

この生体センシング技術は、人体に電波を当て、オムロン独自のアルゴリズムで処理することによって脈拍値として出力する技術。ドライバーの体表面に電波を送信し、体表面に当たって戻ってきた電波を受信することで、血管が脈を打つときに体表面上で発生する約100um以下の変位を検出する。

信号を独自のアルゴリズムにより脈拍信号として抽出することで、脈拍値として出力する。非接触で測定できるため、体にセンサーを装着する必要が無く、ドライバーに負担をかけずに、リアルタイムに健康状態を把握することができる。

オムロンは今後、脈拍測定以外にも複数のセンシング技術や製品を組み合わせることで、ドライバーの異常状態や異常発生リスクをさらに高精度に検出するシステムを早期に商品化する。ドライバーの健康状態などに起因する事故を未然に防止する世界初の「車載ヘルスケアシステム」の実現を目指して技術開発に取り組む方針だ。

「非接触脈拍センサー」は、10月4日から7日まで、幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2016」に展示する。