【実践! サウンドチューニング】初級編 Part.2「イコライザー」その3
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今回は、10~13バンドタイプの「イコライザー」の操り方を考えていく。最初に、周波数特性の乱れを正そうとするときの扱い方から。10~13バンドあるならば、そのような使い方にもチャレンジしてみたい。
まずは、特性の乱れを把握する必要がある。乱れはなんらか存在している。車内のような狭い空間では音が、窓ガラスや内張りパネルで反射し、シートでは吸収され、特定の周波数帯で、ピーク(不自然に盛り上がってしまうこと)やディップ(不自然にキャンセリングが起きてしまうこと)が、なんらか必ず起こっている。
こういった周波数特性の乱れを見つけるためにはどうすればいいのかと言うと…。
おすすめな方法は、「1つ1つ個別に多めに上げて確認していく」というやり方だ。1つ1つ上げては音を聴いてみる。そして、上げたことで“うるさい”と感じるかどうかを確認してみよう。
他のバンドに比べて“うるさい”と感じるバンドがあったならば、そこは“ピーク”が出ている周波数帯である可能性がある。そもそも不自然に盛り上がってしまっているので、イコライザーを上げたことでさらに“うるさく”感じた、というわけなのだ。
そういったバンドが見つかったら、そのバンドはちょっと下げてみる。結果、全体の響きがより自然になったとしたら、その操作は正解だった、ということになる。
あと、高域側のバンドで“うるさい”と感じるバンドが見つかった場合。そのバンドは敢えてフラットなポイントのままにして、低域側のバンドを1つ1つ、少しだけ下げてみよう。そして、低域側のバンドを操作しながら、“うるさい”と感じた高域側の音に神経を集中する。低域側を下げたことで、高域側がすっきりしたら、その操作も正解だ。
音は、音程を決定する“基音”と、音色を決定する“倍音”とで成り立っている。であるので、低域側の音を絞ることで、倍音部分の“ピーク”を取り除ける場合もあるのだ。
今週はここまでとさせていただく。次週も「イコライザー」の操作方法を深堀していく。お楽しみに。
《太田祥三》
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