【実践! サウンドチューニング】中級編 Part.1「タイムアライメント」その1 | CAR CARE PLUS

【実践! サウンドチューニング】中級編 Part.1「タイムアライメント」その1

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「ダイヤトーン サウンドナビ・NR-MZ200シリーズ」の、“タイムアライメント”の設定画面。
「ダイヤトーン サウンドナビ・NR-MZ200シリーズ」の、“タイムアライメント”の設定画面。 全 1 枚 拡大写真
カーオーディオの楽しみどころの1つである「サウンドチューニング」。そのノウハウを全方位的に解説している当コーナー。今週からは、中級編に突入する。テーマは「タイムアライメント」。今回は、その概要からお伝えしていく。

スタンダードな純正カーオーディオならびに、廉価なAV一体型ナビやメインユニットには搭載されていないものの、ハイエンド・カーオーディオにおいては超必須機能となっている「タイムアライメント」。まず今週は、これがどのような機能なのかを解説しておきたい。

それをご理解いただくためにはまず、“ステレオとは何なのか”をわかっていただく必要がある。“ステレオ”とは、音楽信号を左右のchに分けて録音しそれを左右のスピーカーで再生することで、音楽を立体的に再現しようとするものである。そしてその効果を適切に得るためには、1つの決まりごとを守る必要がある。それは、「左右のスピーカーから等距離の場所にリスニングポジションを取る」というものだ。

しかし…。シンプルなカーオーディオ・システムでは、この決まりごとを守ることは到底不可能だ。結果、音楽を立体的に感じ取ることができず、ただ近いほうのスピーカーから音が出ている、というような状況で音楽を聴くことになる。

だが、「タイムアライメント」機能があれば話は違ってくる。これを駆使すれば、近いほうのスピーカーから発せられる音に遅延をかけて、あたかも左右のスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況が作り出せるのだ。

なお、「タイムアライメント」には、簡易的なタイプと、緻密なコントロールが可能なタイプの2種類がある。前者は、スピーカーがセパレートタイプであったとしても、それを1つのスピーカーとして扱う仕様になっていて、後者はセパレートスピーカーのトゥイーターとミッドウーファーそれぞれを、個別にコントロールできる仕様になっている。

AV一体型ナビに搭載されている「タイムアライメント」の多くは、前者のタイプだ。対してハイエンドカーオーディオに搭載されているそれは、すべて後者のタイプだ。

とはいえ、トゥイーターとミッドウーファーを個別にコントロールするためには、「タイムアライメント」機能がそれに対応しているだけでは不十分だ。もう1つ条件がある。それは、「システムレイアウトが、“マルチアンプシステム”を構成できていること」。それが構成できていて初めて、緻密なコントロールが可能となるのだ。

では、“マルチアンプシステム”とは何かというと…。それについては、次週に詳しく解説する。次回の当コーナーも、お読み逃しなく。

《太田祥三》

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