カーオーディオの醍醐味はココにあり! 『システムアップ術』研究!! 第5回「パワーアンプを組み入れてクオリティアップ」
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■ハイエンド・メインユニットに外部パワーアンプを追加する場合の注意点とは?
パワーアンプ追加のタイミングはさまざま考えられるが、今回は、「スピーカー交換」から「コントロール機能の追加」に進んだ後の「パワーアンプの追加」について考察していこうと思う。
なお、特集の2回目で解説したように、「コントロール機能の追加」には、以下の3つの方法がある。1つ目は、高度な「DSP」を内蔵したメインユニットを導入する方法、2つ目は、「パワーアンプを内蔵したDSP」を導入する方法、そして3つ目が、「単体DSP」を導入する方法、以上だ。
当然ながら2つ目の、「パワーアンプを内蔵したDSP」を導入する、という方法を取った場合には、すでにパワーアンプの導入は終わっている。であるのでこの方法では、パワーアンプを選ぶ楽しみは味わえないわけだが、「パワーアンプ内蔵DSP」には、省スペースであること、コストが抑えられること、といったメリットがある。そこに重きを置くならば、これがベストチョイスだ。
さて。ここからは具体的な『システムアップ術』の解説に入っていく。まずは、高度な「DSP」を内蔵したメインユニットを導入した後の、パワーアンプ選びのコツをご紹介していこう。
このときに必要なアンプのch数は4chだ。フロント2ウェイスピーカーを“マルチ駆動”したいわけなので、スピーカーの数と同じch数を確保しなければならないのである。
そして、このときのアンプ選びのコツは、“できるだけハイグレードなパワーアンプを用意する”、である。最新のハイエンドメインユニットの内蔵アンプはなかなかに優秀だ。トルク感では内蔵アンプは非力な傾向はありつつも、質感ではミドルグレードのアンプに匹敵する実力を持つ内蔵アンプもある。エントリーグレードのパワーアンプでは、『システムアップ』にならない場合も多いのだ。
「ステップアップ」の1番のコツは、“ムダを出さないこと”。その観点で考えても、できるだけ良いものをチョイスしたいところなのである。ただし、必ずしも超高級モデルでなければならない、ということでもない。予算との兼ね合いで、後悔しないモデルを選び込もう。
■“ムダ”が出ないように、合理的に、かつ妥協なく『システムアップ』を楽しもう♪
ちなみに、高度な「DSP」を内蔵したメインユニットとして『ダイヤトーン サウンドナビ』をチョイスした場合は、少々事情が変わってくる。
『ダイヤトーン サウンドナビ』では、2chアンプであっても、トゥイーターとミッドウーファーを個別にコントロールできるので、まずは2chアンプを1台用意して、その後、段階を追って『ステップアップ』を楽しんでいく、という作戦も可能となるのだ。
この作戦のメリットは、1度に用意すべき予算を抑えられることにある。4chアンプと2chアンプの価格を比べたとき、1chあたりの性能が同じ場合は、2chアンプのほうが価格が安い。
または、同じ予算で倍のクオリティのパワーアンプを購入することも可能となる。価格が同じ4chアンプと2chアンプでは、1chあたりの性能は2chアンプのほうが上だ。その後また軍資金が貯まったら、同じ2chアンプをもう1台導入して、今度は“マルチアンプシステム”に発展させる。このような手順を踏むと、他のやり方以上に『システムアップ』の醍醐味を味わえる。
さて、次には、「単体DSP」を導入する場合の『システムアップ術』を考えていこう。この場合は、「単体DSP」を導入する際にパワーアンプも同時に導入する必要があり、そのときに多くの予算が必要となることが難点なのだが…。
であるので、このときにはパワーアンプに予算をかけづらい。しかしながら、ここで妥協したパワーアンプを選んでしまうと、後から良い物に買い替えたくなる…。ではどうするべきなのかと言うと…。
この際には、取り敢えず手の届くアンプを買っておく、という作戦も大アリだ。ハイグレードなアンプがほしくなったときには、最初に購入したアンプをサブウーファー用として転用すれば、“ムダ”が出ない。サブウーファーにもハイグレードなアンプを使いたいところではあるが、フロントスピーカーほどには、サブウーファー用のパワーアンプ選びはシビアではない。
また、フロントスピーカーを鳴らすためには4chが必要なので、サブウーファーを鳴らすのに4chも必要ないわけで、その点では“ムダ”が出る、と思うかもしれないが、あながちそうでもない。4chアンプの2chずつをブリッジして、2発のサブウーファーを鳴らす、という手もあるのだ。
というように、後々にサブウーファーまで導入しようと考えているのなら、とりあえず手頃なパワーアンプを買っておく、というのもアリだ。ご参考にしていただきたい。
「パワーアンプ」に関する『システムアップ術』は以上だ。「パワーアンプ」を用いるということはすなわち、“本格システム”への『システムアップ』でもある。無理をし過ぎることなく、しかし後々に“ムダ”が出ないように考えながら、じっくりと『システムアンプ』を楽しんでいただきたい。
次回は、「サブウーファー」に関しての『システムアップ術』を考えていく。お楽しみに。
《太田祥三》
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