シートで制御! ボーズのサスペンション技術…自動運転時代を視野に
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Bose Rideは、路面からの振動・揺れ・不快な動きを遮断するパーソナル・サスペンション技術で、2010年より主に大型トラックや農工車両に採用されて来た。既に特許取得済みの有望技術として受賞歴もある。今回発表されたBose Rideは、その基礎技術をベースに、乗用車向けとして新たな乗り心地を提供できるよう開発されたものだ。
たとえば、いくら最新型の高級車であろうとも、乗車中はいつも振動を感じているもの。Bose Rideを使えば、その振動を最小限に抑えることが可能となり、車内空間での快適性が大幅に高まる。特に将来実現すると言われている「レベル5」の自動運転車が実現すれば、乗車中の人は完全な“ハンズオフ”“アイズオフ”となるわけで、その時はひたすら快適な乗り心地が求められるはず。そんな長期的視野に立って開発は行われたという。
デモはホール内の電動カートで基本的な仕組みを理解し、最後に冒頭で述べた超VIP仕様の大型判へ乗り込むという段取りとなっていた。面白いのは、シート自体が揺れを抑えているため、座っているとフロアが別に動いているように感じることだ。補正をOFFにすればその感覚はなくなり、つまりシートが振動を抑制してることが明らかとなる。
大型バンの中に作られたラウンジのような空間はまったくの別世界。クルマが動き出し、様々な路面の変化に遭遇してもシートに座っているとその振動はかなりのレベルで抑えられている。シートの乗り心地の良さもさることながら、制御されていることをまったく意識せずに、ひたすら快適に乗っていられるから不思議だ。
デモ乗車中は、タブレットとペンが渡され、Bose RideのONとOFFそれぞれで絵をなぞるよう指示されたが、その効果は明らか。OFFの時はとても線をなぞることはできなかったが、ONの状態になればスムーズになぞれる。つまり、それだけシート上に反映される効果が大きいと言うことだ。
ボーズは早い段階からノイズキャンセリング技術を手がけ、その先鞭をつけてきた。この考え方はクルマのサスペンションに反映されたこともあり、ボーズはそうした抑制技術を将来登場する新たなカーライフにもマッチさせていく考え。今回のデモではそんな未来の乗り心地を体感できる貴重な機会となった。
【CES 2017】体感! ボーズのサスペンション技術…自動運転時代の車内を視野に
《会田肇》
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