“買い”か、“待ち”か…。カーナビ・オプションユニットの最新事情! パート4「ヘッドアップディスプレイ」 | CAR CARE PLUS

“買い”か、“待ち”か…。カーナビ・オプションユニットの最新事情! パート4「ヘッドアップディスプレイ」

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三菱電機の最新「HUD」。
三菱電機の最新「HUD」。 全 1 枚 拡大写真
AV一体型ナビのオプションパーツの最新事情をお伝えしてきた。今回はその最終回として「ヘッドアップディスプレイ」の現状を考察していく。一部の高級車にしか搭載されていなかったこのスペシャルなアイテムも、今やナビのオプション品として様々用意されているのだが…。


■「HUD」には「オーバーヘッド・タイプ」と「オンダッシュ・タイプ」がある。

ナビオプションとして用意されている「ヘッドアップディスプレイ」(以下、HUD)は、大別して2タイプが存在している。1つが、サンバイザーやルームミラー部に取り付ける、「オーバーヘッド・タイプ」、そしてもう1つが、ダッシュボード上に固定して使用する「オンダッシュ・タイプ」。以上の2つだ。

ナビのオプション品として初めて発表された「HUD」は、「オーバーヘッドタイプ」だった。2012年にカロッツェリアが、『サイバーナビ』の新機能としてこのタイプの「HUD」を初投入し(上級機では同梱)、世間をあっと驚かせた。そしてこれを皮切りに、各社がそれぞれ独自の「HUD」をリリースしてきた。

なお、カロッツェリアの「HUD」は、単なる“サブディスプレイ”という製品ではなく、そこから1歩踏み込んだ画期的な製品だった。画期的たるキモは、“現実の風景にルート案内情報を重ねようとしたところ”にあった。表示される文字や図形が、フロントウィンドウの先に浮かび上がるような見え方をさせていたのだ。

カロッツェリアは2013年の秋には、『楽ナビ』に対応する、コストパフォーマンスに磨きをかけた新たな「HUD」も発表した。

ケンウッドも「オーバーヘッド・タイプ」の製品を登場させた。2013年に「HUD」をセットにしたナビを発売し、翌2014年の春には単体で「HUD」を発売。この「HUD」は、12年、13年、14年、計3代の上級モデルに対応している。ケンウッドの「HUD」は、ルームミラーに取り付けるタイプであり、汎用性の高さとコンパクトですっきりと取り付けられることが特長だ。

なお、カロッツェリア、ケンウッドともに、それぞれの「HUD」は現行モデルとして今も発売され続けているのだが、最新のナビとは対応しない。「オーバーヘッド・タイプ」は現状、姿を消していく流れにある。

対して「オンダッシュ・タイプ」は、現行のナビと対応し続けている。ラインナップしているのは、パナソニックと三菱電機だ。


■最新のナビと対応している「HUD」は、三菱電機の「HUD」だけ。

「オンダッシュ・タイプ」には、視線移動が少なくてすむ、というメリットがある。「HUD」のスクリーンの位置が、ナビ画面とフロントウインドウの間あたりにくるので、視線の移動範囲を特に広げる必要がないのだ。

ところで、現行のナビと対応するとはいいつつも、パナソニックの場合は、2016年モデルには対応していない。こちらも、今後はなくなっていく流れにあるのかもしれない。

対して三菱電機の「HUD」は、最新のナビに対応している。さらには最新の「ETC2.0車載器」と連動することで、他社の「HUD」にはない機能も発揮する。それは、「赤信号残時間表示」だ。

三菱電機の最新「ETC2.0車載器」は、「高度化光ビーコン」に対応しているのだが、「赤信号残時間表示」は、その「高度化光ビーコン」に対応していることによって可能となる。「光ビーコン」の最新仕様である「高度化光ビーコン」に対応することで、「信号情報活用運転支援システム」を使った新たな「安全運転支援」機能が得られるのだ。「赤信号残時間表示」は、その機能のうちの1つ、という次第なのである。

ちなみに「高度化光ビーコン」が設置されているのは、全国25都道府県の約5700か所。まだまだ全国どこでも可能となる機能ではないのだが、これが設置されている交差点では、三菱電機の最新『ダイヤトーン サウンドナビ』のユーザーは最新の「ETC2.0車載器」を併せて導入することで、赤信号が青信号に変わるまでの時間の情報をナビ画面で確認することが可能となる。そしてさらに「HUD」も用いれば、その情報を最小限の視線移動で確認することも可能となるのだ。

この「高度化光ビーコン」が全国に行き渡るのは、2019年と言われている。ダイヤトーン サウンドナビでは、それを先取りして実現しているわけだ。いち早くこのサービスを享受しようと思うのならば、三菱電機の「HUD」は、“買い”だ。

その他のメーカーの「HUD」は、“買い”か“待ち”かで言うと、少々微妙だ。ナビの最新モデルに対応していないということは、ニーズが大きくはなかった、ということを意味している。「HUD」は今後、消えゆく運命にあるのかもしれない。

であるならば、もしもこれに興味を持っていながらも導入を迷っていたという場合はむしろ、“買い”だ。導入を迷っているうちに、なくなってしまう可能性もあるからだ。「HUD」が理に叶った製品であり、これを導入すると運転がしやすくなるのと同時に、近未来的な使用感が味わえるのは事実だ。迷っているならば、買うのは今だ。

特に、最新の『ダイヤトーン サウンドナビ』の購入を検討している場合には、“買い”の度合いは高くなる。「ETC2.0車載器」と合わせての導入すると、この組み合わせでしか得られない、スペシャルな使用感も味わえる。

さて、ここまでさまざなナビオプションの現状を分析してきた。オプションを加えることで、ナビの機能は拡張する。せっかく用意されている機能なので、自分にとって有益なのか否かは、ぜひとも確認しておきたい。知らないでいることは、損だ。

《太田祥三》

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