【実践! サウンドチューニング】上級編 Part.1「ハイエンドシステムにおける、調整機能の成り立ち」その1_マルチアンプシステムとは?
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そのサポートをすべく、当連載をお届けしている。というわけでこれまでは、一般的なAV一体型ナビやカーオーディオメインユニットに搭載されているチューニング機能の使い方をご紹介してきた。今週からは、“ハイエンドシステムにおけるサウンドチューニング”機能について掘り下げていく。まずは、その“成り立ち”から解説していこうと思う。
結論から入りたい。ハイエンドシステムにおいて詳細にサウンドチューニングを行おうとするとき、システムレイアウトは基本的に、“マルチアンプシステム”という形態が取られなければならない。ハイエンドシステムにおいてのサウンドチューニングは、“マルチアンプシステム”ありきで成り立っている、のである。
“マルチアンプシステム”とは、「スピーカー1つ1つに、パワーアンプの1chずつをあてがうシステム」だ。パワーアンプの前段にDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)を置き、DSP内部で音楽信号を各帯域(各ch)に分割(クロスオーバー)した上で、各chを個別にコントロールする。そしてコントロールされた各chの音楽信号を、パワーアンプの1chずつを使って個別に増幅するのである。
DSPでコントロールする項目は以下の3つだ。「クロスオーバー」(レベル、位相切り替えも含む)、「イコライザー」、「タイムアライメント」、以上だ。
なお、「イコライザー」については、単体DSPの多くでは、各chごとで行われる。それに対してハイエンドメインユニットに内蔵されているDSPでは、“左右独立”という場合がほとんどだ。
つまり、“フロント2ウェイ+サブウーファー”というスピーカーレイアウトだったとき、単体DSPでは、左右のトゥイーター、左右のミッドウーファー、サブウーファーと、それぞれのスピーカーごとで「イコライザー」をかけるのに対して、ハイエンドメインユニット内部のDSPでは、右chと左chを別々にコントロールできるものの、各スピーカーごとではコントロールできない、というわけなのだ。
さて、今週はここまでとさせていただく。次週以降も、ハイエンドシステムにおけるサウンドチューニングのあらましをお伝えしていく。引き続きお読みいただけたら幸いだ。
《太田祥三》
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