【実践! サウンドチューニング】上級編 Part.4「ハイエンドシステムにおけるイコライザー調整の勘どころ」その3
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今回は、「ハイエンドシステムにおけるイコライザー調整の勘どころ」の第3回目として、「悪さをしているところの見つけ方」について解説していこうと思う。
「悪さをしているところ」とはつまり、「周波数特性が乱れているところ」であるのだが、これを把握するのがそもそも、結構難しい。しかしながら、どのように乱れているのかがわからなければ、高性能な「イコライザー」を手にしていても、無用の長物になりかねない。
ちなみにカーオーディオ・プロショップでは、高性能な測定機を用いて周波数特性の乱れを調べたりもしているが、そういったものを所有していない場合はどうすればいいのだろうか。
なお最近は、スマホアプリでも測定機があるので、それを使うというのも1つの手だ。ただし、プロユースの機械と比べたら、少々心もとないのも事実。高性能な測定機であれば、測定のためのマイクも高性能だ。そのクオリティをスマホアプリに期待するのは酷である。
というわけなので、スマホアプリはあくまでも参考程度、という使い方をするといいだろう。とはいえ、アプリで測定し乱れを把握したのち、操作をして測定上の乱れが改善され、結果、聴感上でも音が良くなればしめたものだ。操作をすることで聴こえ方がどう変わるかを感じ取る練習にもなるので、試してみる価値はある。
さて、測定機を使用する以外で、「悪さをしている箇所」を探す手立てはないものだろうか。考えられる方法は2つある。
まず1つ目は、直球勝負ではあるけれど、「聴き慣れた音源をかけ、おかしいと感じるポイントを探す」という方法である。バスドラムの音、ベースの音、ボーカル、シンバル等々、特定の楽器の音だけに注力し、それぞれが本来の音色であるかどうかを感じ取っていこう。おかしいと感じる楽器があったら、その楽器の音に該当するバンドを上げ下げしてみよう。
このときには当然ながら、それぞれの楽器の音域が、周波数でいうとどのあたりに相当しているのかを知っておく必要がある。さらにいえば、通常どの楽器も、2オクターブ半とか3オクターブとかの音域を持っているので、おかしいと感じるポイントが、低い音域を演奏しているときなのか、高い音域を演奏しているときなのかまでを感じ取りたい。
そして、その音がどのバンドに相当するかあたりをつける。このように、おかしなところがどのバンドなのか、大体でもあたりがつけられるようになれば、「イコライザー」調整が、よりスムーズに実行できるようになるはずだ。
今回はここまでとさせていただく。次回は“悪さをしているところ”を見つけるための、もう1つの方法をご紹介する。お楽しみに。
《太田祥三》
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