日産自動車の西川廣人社長は5月11日に横浜市にある本社で開いた決算会見で電気自動車(EV)『リーフ』の次期型車を2017年度中に投入する計画を明らかにした。また商用車事業ではルノーとの分業を進める方針も示した。西川社長は「ニッサンインテリジェントモビリティのステップとして16年度は着実に新技術、新商品をお届けしている。自動運転の領域では、新型『セレナ』に初めてのプロパイロット機能を搭載した。17年度に新たにプロパイロットの機能を付けた新型『リーフ』をお届する予定」と述べた。さらに「電動化は大きなテーマになってくる。我々はEVのパイオニアとして、そのリーディングポジションを維持していくことは、中期的な計画の中でも大きな方針として継続していく」と改めて強調した。一方で「EVが先駆的な技術として売れる、あるいは注目を集めるという時代があったが、その時代は過ぎつつある。これから1~2年の間には航続距離もハンディキャップではなくなってくるし、そうなると何マイル走れるということも差別化要因ではなくなってくる。電動技術を使ってどれだけ魅力ある商品を造れるかという競争に戻ってくる。ポートフォリオをどうやって効率的、効果的に広げられるかということに競争のポイントが移ってくると思っている」とも指摘。その上で「そういう意味では我々、ポートフォリオ展開という面では、業界がコンサバティブな方向にいくか、アグレッシブにいくかはあるが、(日産は)アグレッシブにいく計画を持っている。直近のところでは新型リーフをグローバル展開していく。これが非常に大きなステップでもある」とした。さらに「電動化技術を使って、魅力的なポートフォリオを拡大するという意味では、16年度発表した『ノート e-POWER』は電動化の技術を使った新しい電動車とみて頂きたいが、これも含めてポートフォリオを魅力的なものにしていく。マーケットによって受け入れられ方が違うので、それぞれのマーケットで魅力あると受け入れて頂ける商品をどれだけ多く造れるか、それが2020年以降の競争のポイントになる。そこは我々は積極的にリスクをテイクする方向で拡大していきたいと思っている」と語った。また西川社長が課題のひとつとしてあげている小型商用車(LCV)に関しては「これから先、かなりアライアンスのベネフィットを十分活用していきたいと思っている」とした上で、「LCVに関していうと日産はピックアップトラックとフレームのSUVに非常に強みを持っている。ここはトヨタに負けないくらいに強くしていきたい。そこには日産のリソースを集中していく。一方で商用バンの部分はルノーが強い。従って商用バンは極力ダブりの仕事をやめてルノーのアセットをうまく活用する方向に持っていって、最大限のベネフィットをとっていく」との考えを明らかにした。