プロが教えマス! ボディタイプ別カーオーディオの始め方・楽しみ方 Part.4「コンパクトカー編」 | CAR CARE PLUS

プロが教えマス! ボディタイプ別カーオーディオの始め方・楽しみ方 Part.4「コンパクトカー編」

レストア サービス
カロッツェリアの新しいカスタムフィットスピーカー、TS-V173S。
カロッツェリアの新しいカスタムフィットスピーカー、TS-V173S。 全 1 枚 拡大写真
ボディタイプ別に、カーオーディオの“始め方”と“楽しみ方”をご紹介している。第4回目となる今回は、“コンパクトカー”を題材として取り上げる。カジュアルで扱いやすい“コンパクトカー”だが、オーディオカーのベースとしてはどんな特徴を持っているのだろうか…。

それを考察すべく今回は、広島県の実力ショップ、“リクロス”の池田さんに、講師役をお願いした。それでは、早速本題に入りたい。


■スピーカー交換の際には、ドア内部のクリアランスの把握も忘れるべからず。

最初に、スピーカー交換について教えていただいた。

池田「スピーカー選びをするときには、ドア内部の奥行き方向のクリアランスが問題にもなるのですが、“コンパクトカー”の場合は、中にはクリアランスが少なめのクルマもあります。ですので、まずは愛車のドア内部の状況を確認したいですね。そうして、装着可能な“取り付け奥行き寸法”を把握しておくと、製品選びがスムーズに進められると思います。

ただし、チョイスしたスピーカーの“取り付け奥行き寸法”が許容範囲を超えていても、“アウター化(スピーカーの取り付け面を内張りパネル面まで出す取り付け方法)”すれば装着可能です。“アウター化”する前提であるならば、“取り付け奥行き寸法”を気にする必要はありません」

続いては、“デッドニング”についてお訊きした。

池田「“コンパクトカー”の中には、いわゆる“エコカー”も多く含まれていますが、そういった車種では特に車両の軽量化が図られていて、ドアの鉄板が薄い傾向があります。なので“デッドニング”では、“強度”を上げることも意識したいですよね。サービスホールが開いている車種も多いですから、そこを塞ぐ際にも、“強度”を上げられる部材を使いたいと思っています。

しかし、“強度”にこだわれば重くもなりますから、燃費への影響は多少なりとも出てきます。音を優先させるのなら確実に施工すべきですし、燃費を重視するなら軽めに、合理的に行いたい。音と燃費、どちらに比重を置きたいかについて、あらかじめイメージしておくことも必要かもしれませんね」


■サブウーファーを導入する際も、スペースの有効活用を考えたい。

次には、低音強化についてお訊きした。

池田「低音強化策と言えば、パワードサブウーファーをシート下に設置するのが手頃な作戦ですが、これについても、あらかじめシート下の状況を確認しておく必要があります。というのも、“コンパクトカー”の場合は、前列のどちらかのシート下にジャッキが収められている車種もあるんですよ。その場合は、スペースの有効活用を考えたいですね。サブウーファー以外のユニットをシート下に入れている(入れたい)場合もあると思いますので、上手くやりくりして、効率良くユニットを収められると良いと思うんです。状況によっては、大き過ぎないパワードサブウーファーを選んだほうがいいケースも出てくると思います。

ちなみに、スペアタイヤスペースにすっぽりと収まるサイズのパワードサブウーファーも販売されています。そういったものを活用するのも手だと思います」

ユニットタイプの本格派を導入しようとするときには、どのようなことに注意するといいだろうか。

池田「やはり、“コンパクトカー”ではスペースに限りがありますから、ユニットサブウーファーを導入しようと思ったときは、ボックスが大きくなり過ぎないようにしたいところですよね。口径が大き過ぎないものを、場合によっては薄型タイプを選ばれるのもアリだと思います。薄型タイプならば、ボックスサイズも小型化できますから。

ただ、ローエンドまできっちりと鳴らし切りたいと考えるのであれば、ある程度口径の大きなものを大きめのボックスに装着して鳴らしたいところです。そのあたりについては、プロショップとじっくりとご相談されるといいと思います。欲しいサウンドと、クルマとしての実用性と、さらには製作コストまでを天秤にかけて、ご自分にとってのベストを探っていきましょう。悩みどころですが、あれこれと考えることも楽しみの1つです。じっくりと検討していただきたいですね」


■トゥイーターの取り付け場所は、ミラー裏が有利?

さらには、トゥイーターの取り付け位置についても教えていただいた。

池田「トゥイーターの取り付け場所としてお薦めなのは、ミラー裏です。“コンパクトカー”は車室内が狭い分、サウンドステージの広さを出しにくい傾向があります。しかしながらミラー裏ならば横幅を稼ぐことができますから、少なからず不利に対処できる、というわけなんです。さらには、コストも抑えられますし。ミラー裏のカバーの加工は、Aピラーの加工よりも手間が少なくてすみますから。

ただ、“コンパクトカー”では車種によって、ミラー裏にカバーが付いていないこともあります。その場合はカバー(ケース)自体を製作することから始めなければなりませんので、ものによってはAピラーを加工して装着するよりもコストがかかる可能性も出てきます。そうなってくると、ミラー裏にこだわる理由は弱まります。

なおAピラーには、高さ、角度等々、セッティングの自由度が高いというメリットがあります。このようにAピラーはAピラーでまた違った利点がありますから、トゥイーターの取り付け場所に関しても、楽しみながら熟考されるといいのではないでしょうか」

最後に、こんなことも教えていただいた。

池田「“コンパクトカー”には、音のエネルギーが逃げにくい、というメリットもあると思うんです。車室内が狭いので、力が散漫になりにくいんですよ。なので、ルーフの“デッドニング”をすると、このメリットがさらに活きてきます。低音の鳴り方もタイトになりますし、ビートが効いた音楽を好まれる方には特に、ルーフの“デッドニング”をお薦めしたいですね。

また“コンパクトカー”は、純正オーディオの状況がシンプルである場合も多いので、気軽にカーオーディオを始めやすいタイプと言えるかもしれません。いろいろなアプローチでカーオーディオを始められると思うんです。ご興味があれば、ぜひとも挑戦していただきたいですね」

池田さんにお訊きした話は以上だ。“コンパクトカー”には大きく不利となる要因も少なく、むしろ、カーオーディオを始めやすい車種とも言えるようだ。“コンパクトカー”に乗っている音楽好きの方は、臆せずカーオーディオにトライを♪

《太田祥三》

この記事の写真

/

特集