【自動車豆知識】クルマにまつわる税金のお話 その3 重いと高い? クルマの税金「重量税」 | CAR CARE PLUS

【自動車豆知識】クルマにまつわる税金のお話 その3 重いと高い? クルマの税金「重量税」

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【自動車豆知識】クルマにまつわる税金のお話 その3 重いと高い? クルマの税金「重量税」
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自動車に関わる税金について解説している本コーナーですが、早くも今回で3回目を迎えます。しつこいようですが、それだけ自動車ユーザーは様々な形で税金を負担しているワケです。

今回は、車検の時によく耳にする「自動車重量税」を取り上げたいと思います。とかく車検はお金がかかる、というイメージの一部を占めるのがこの税金です。重量税も、他の自動車諸税と同様に問題を多く抱えていると言われておりますので、その辺りの事情も踏まえながらしっかり解説したいと思います。



◆クルマの重さにかかる税金です

数ある自動車諸税の中でも、字面からその内容の想像がつきやすい税金ではないかと思います。まさに、保有するクルマの重量にかかる税金です。もともと、道路の建設や維持管理に関わる費用は全て、受益者である自動車ユーザーが賄うという考えのもと導入されました(道路特定財源と言います)。重さの区切り方は車両の種別によりけりですが、普通乗用車を例に挙げると、車両重量が0.5t増えるごとに税金が高くなる仕組みになっています。重たい自動車ほど道路を痛める可能性があるという発想です。

自動車ユーザーは数々の税負担を強いられています
一般的に車検の時のイメージが強いのは、原則として新しい車検証の交付を受ける際に納付する必要があるからだと思います。車検証の交付に必要ということなので、新車を購入する時にも当然納めている税金ですし、中古車でも、車検が切れているクルマを購入した場合などには必ず納めているはずです。



さて、重量税は国税ですので国に納める形となります。通常は重量税印紙を購入して、申請用紙に添付し陸運局の窓口に提出します。余談ですが、陸運局に行くと必ず各都道府県の自動車税事務所が併設されているのですが、車検の時には立ち寄る必要がなく、地方税である自動車税や自動車取得税を支払う必要がある手続き(新規登録など)の時に行くことになります。その税金を国に納めるか、都道府県に納めるかによって納税の場所や方法も変わるわけです。ちなみに、重量税は特に使い道を指定しない普通税なのですが、制定された時には道路特定財源として運用する使い道が決まっていました。ところが、道路特定財源が一般財源化されたことによって、今では当初とは違った使い道でも使えるようになっています。

◆毎度おなじみの暫定税率

前回お話しした自動車取得税と同様に、自動車ユーザーは40年以上に渡り暫定税率として、本来の税率よりも重い税金を課せらてきました。しかし、本来の使い道としていた大規模な道路建設のための債務などが解消され、また公共工事の減少などによって財源は余剰が見込まれるようになり、ユーザーはもとより自動車メーカーなどの業界団体からも見直しが強く求められました。

ところが、2010年3月の税制改正により暫定税率が特例税率として適用期間の定めが廃止されて、当分の間適用されることになり、暫定税率の適用が特例税率として事実上恒久化される事態になりました。難しい言い回しなので少し簡単に言い換えます。批判が高まってきたので「仮」の状態を引っ張り続けるのが難しくなったものの、税収を下げる訳にはいかないので特別に当分の間はそのままにしようということです。

古いクルマは重課になる仕組みになりました
それと同時に、2010年4月以降は暫定税を含む税額が約20%引き下げられたものの、依然としてその水準は高いものですし、加えて車歴が13年以上経過すると税額が上がり、18年以上経過するとさらに税額が上がるという仕組みになりました。

◆エコカー減税の導入と、その功罪

重量税も、他の自動車諸税のご多分に漏れず「エコカー減税」が導入され、環境性能が高いクルマは減税や免税になる仕組みになりました。燃費基準の達成度合いに応じて、25%から100%(免税)まで4段階の減税率が設定されていて、新車購入の時だけでなく、初回車検の重量税額にも影響します。

環境に優しいクルマは減税や免税の対象になります
車歴が長いクルマに対して重課することを踏まえると、「環境にやさしくないクルマに乗るのはそろそろ止めましょう!税金を高くしますよ。代わりに税金を安くするから新車に乗り換えてくださいね」と言っているワケです。確かに、目に見える形でエコカーが普及することは、環境への貢献が大きいのは事実だと思います。その反面、まだ乗れるクルマを無理に乗り換えたり、古いものを大切に使う人への負担が大きくなることも考えものと言えます。どちらの考え方も尊重されるような、新たなルールが作られるていくことが理想的なのではないかと思います。不公平だと思う人が少なくなるといいのですが。

《カーケアプラス編集部》

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