【潜入レポート】「オートモビルカウンシル2017」閉幕に想う
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ヘリテージカー販売店のブースでは、各社の取り扱いの特徴を全面に出した展示が行われた。会場内には、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェといったスポーツカーや、プジョー、シトロエン、VWといった大衆車など幅広いメーカーと時代の名車たちが整然と並んだ。また、展示車両の中には、プライスが付けられたものも多く、来場者が車両の説明を受ける姿や、商談する姿が見られたのも印象的だった。
自動車メーカーは、国内から5社、海外メーカーからも2社が参加。各メーカーごとに設けたテーマのもと、ヒストリックモデルから最新のモデルまでが展示され、それぞれのブランド固有のフィロソフィーや、魅力にスポットライトを当て表現した。
中でも目を引いたのが、メーカー展示としては最多の7台を並べたマツダブース。ロータリー誕生50周年ということで、コスモスポーツの実車やロータリーの歴史に関する展示などその力の入れようが窺えたが、編集部が特に注目したのは、「初代ロードスター」が展示されたコーナー。“NA”の通称で呼ばれ、リトラクタブルライトのデザインがアクセントの同車は、1989年の誕生以来、国内で約12万台が販売され、2017年の現在でも約23,000台が、未だ現役で走り続ける名車中の名車だ。
その初代ロードスターのレストアサービスの開始が発表され、年内にはユーザーからの受付を開始し、2018年初頭より実際のレストア作業を開始する予定だという。昨年のオートモビルカウンシルで存在が明らかになったこの計画は、NAをこよなく愛し、乗り続けているオーナーに対する感謝と期待に応えるという思いから企画され、全国のサプライヤーやショップ、ロードスターファンクラブメンバーとの情報交換を重ね、検討を続けた結果、事業化が決定した。
加えて、ビニール生地のソフトトップ、ブリヂストン製タイヤSF325、ナルディ製のウッドステアリングとシフトノブも復刻製作し、2018年初頭から発売予定とのことだ。今回、展示された1990年式のVスペシャルはそれらのパーツを使用してレストアされたもので、単品のパーツも展示されていた。
取材中も、マツダ担当者から熱心に説明を受けるNAユーザーを何人も目にした。いつの時代にも愛され続ける名車はあるものだ。現在のクルマの進化は目まぐるしく、自動で運転が行われたり、エンジンを使わないことさえも当り前になってしまった。もちろん、それも大事なことだが、便利さや快適さを求める一方で、これまでの自動車文化を築いてきた“遺産”を大切に乗り続けるユーザーの想いに、少しでも目が向かって欲しいものだ。
このマツダの心意気に続くメーカーがあることを期待したい。
《カーケアプラス編集部》
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