減衰力というのは、サスペンションが伸びたり縮んだりするのを抑制する力のこと。 たとえば、サスペションが縮む場合、減衰力が高いとゆっくり縮み、減衰力が低いと速く縮む。もちろん、バネが強くても同じような現象が起きるが、バネが担当するのは主に硬さの部分。たとえば5kg/mmのバネは、50kgで押せば10mm縮む、それがゆっくり縮むのが高い減衰力、速く縮むのが低い減衰力だ。でも考えみてほしい、ショックアブソーバーの減衰力も積極的に調整できれば走りは劇的に変化するはず。一部のスポーツカーや高級車で減衰力を調整できるが、その車種は限定されているのが現状だ。
◆走行中に最適な減衰力に調整してくれるアイテム


「EDFCアクティブ・プロ」は2002年に登場した「EDFC」の発展型。「EDFC」は車内から手動で減衰力を調整できるようにしたシステムで、ショックアブソーバーの調整機構に取り付けられたステッピングモーターを動かして、減衰力を調整することが可能になっていた。現在は「EDFC ll」としてこのマニュアルタイプが販売されている。
「EDFC」をさらに進化させたモデルが「EDFCアクティブ」で、Gセンサーを搭載することによって前後の減衰力を独立して自動制御。別売のGPSキットをプラスすることで速度に応じた減衰力の調整も可能にしている。
今回試乗した「EDFCアクティブ・プロ」は、「EDFCアクティブ」の前後G制御に加えて左右Gによる制御を追加、車速による制御もGPSだけではなくクルマ側の車速信号が加えられている(一部車速信号を取り出せない車種もあり)。車側車速信号を制御に加えることで、GPS信号が途切れるトンネル内での制御も可能になった。

◆状況に合わせた減衰力調整の効果は想像を超える

取材チームは東名高速道路の海老名サービスエリアで待ち合わせ、まずは高速道路での試乗から行った。「TEIN」の「モノスポーツ」は通常の減衰力調整する場合は16段階での調整となるが、「EDFC」でコントロールする場合はステップのナロー化が可能で、32段や64段に細分化できる。この際、最大減衰力と最小減衰力は変わらない。64段調整を選んだ場合、「EDFCアクティブ・プロ」のモニターには0~64までの数値で表され、0がもっとも高く、64がもっとも低い状態となる。




攻める走りでは“硬い”方がいい。コーナーに向かってブレーキングすると、荷重がフロントに移動するとともに減衰力も高くなるので、姿勢は安定した状態で荷重だけが前に行く、そこからステアリングを切っていくとノーズがススッとインを向いてくれる。クルマがターンインして横Gに耐えているときは、減衰力固定で乗っているときよりも明らかにグリップ感が高く安定している。一発でラインが決まるのだが、コーナリング中に障害物などがありラインを変えたいときにステアリングを切り込んだ状態での微調整も正確に行える。
面白かったのは登りと下りでフィーリングが違うこと。スイフトがFFということもあるが、“硬い”セッティングで登りを攻めていくと、アクセルを踏み込んだ際に駆動力が逃げてしまうことがあった。勾配が強めの登りでは“中間”くらいのセットのほうが駆動力が逃げることなく、確実にクルマを前に運んでくれる。
走りも、乗り心地も、安定性も、ひとりで乗っているときも、多人数で乗っているときも…そんな欲張りな人の欲求に答えてくれるのが、「TEIN」のショックアブソーバー&EDFCシリーズだ。ショックアブソーバーのグレードを変えればサーキットユースも十分に対応。足まわりのチューンを考えている人なら、絶対に検討すべきなアイテムと言える。
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