【岩貞るみこの人道車医】「普段なら1500円では食べられない」高速SA&PA 新メニューコンテスト裏話 | CAR CARE PLUS

【岩貞るみこの人道車医】「普段なら1500円では食べられない」高速SA&PA 新メニューコンテスト裏話

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優勝した友部SA上りの新メニュー。とても1500円で食べられるとは思えない豪華さ
優勝した友部SA上りの新メニュー。とても1500円で食べられるとは思えない豪華さ 全 16 枚 拡大写真
【食】今回は「食」である。高速道路ユーザーには欠かせない存在のサービスエリア&パーキングエリア。関東から北を担うネクスコ東日本の、SA&PAの料理人たちが腕をふるう平成29年度「新メニューコンテスト」が開催された。今回で12回目になるというこの大会。各地区ブロックを勝ち上がり、3月20日に10チームで競われた決勝大会の結果はレスポンスですでにお伝え済みだけれど、決勝大会では、私も審査委員を務めさせてもらったので、その様子を少し、お伝えさせていただきたい。

決勝大会の審査委員長は、中華の鉄人で四川飯店グループオーナーシェフの陳建一さん、特別審査委員に、東京調理製菓専門学校の校長で、数々の芸能人の婚礼料理も手がける柘植末利さん、審査委員は、爆食女王のもえのあずきさん、タレントの川瀬良子さん、ネクセリア東日本の村山和夫社長、そして、一兵卒の私である。(このすばらしいメンバーにまざると影がうすいなー、私。)

◆だれが作っても同じ品質で提供できなければ

さて、今年の大会のテーマは、「地元食材をアレンジしたごちそうメニュー」である。価格は税込み1500円。さらに、昨今のSNSブームを考慮して、SNS映えすることも条件に加えられた。大会の基本ルールとしてあるのは、新メニューは、実際にレストランで継続的に提供するということだ。今年は5月いっぱい(好評であれば延長する可能性あり)、原則午前11時から午後8時まではお客様に提供しなければならない。

基本ルールをさらっと書いたけれど、実はこれ、現場にとってはかなり厳しいルールである。だって、原価をかけすぎたら商売にならない。しかも、午前11時から午後8時まで毎日、休みなく提供するとなると、ひとりの敏腕シェフのすごい技術で作れるようなメニューではだめだということだ。レストランの料理人たちがチームとなり、だれが作っても同じ品質で提供できなければいけないのである。加えて、提供する料理に、前菜やデザートというようにお皿の数がいくつもあれば、サービスをするフロア担当者との呼吸も問われる。メニュー作りは、まさにレストランとしてのチーム力が問われるのである。

今大会は、全42のチームがエントリーし、決勝に残ったのは10チーム。
・道央自動車道 輪厚 PA(上り線)
・東北自動車道 岩手山SA(上り線)
・同 長者原SA(上り線)
・同 安達太良 SA(上り線)
・同 那須高原SA(下り線)
・関越自動車道 上里SA(下り線)
・同 越後川口SA(上り線)
・上越自動車道 横川SA(上り線)
・同 東部湯の丸SA(上り線)
・常磐自動車道 友部SA(上り線)
(順不同)

3分間のプレゼン(これも、歌あり、かぶりものあり、緊張したシェフが手をふるわせたり、お客様対応に慣れたフロアスタッフの流暢でコミカルな説明があったり)ののち、試食タイムに突入する。試食は、一口ずつ、味見をさせていただきながら、直接、担当の方々に話を聞く流れなのだが、審査委員に与えられた時間は1チームにつきわずかに6分! それを10回! そんなに一気に各チームの気合の入りまくった料理をいただいて、私にわかるのか? 私、納豆ご飯とコンビニ飯の日々なんですけれど? それに、いくら味見とはいえ、10チーム分となったらすごい量だ。私、小食なんですけれど。爆食女王のもえあずさんとは、若さも胃袋も違うんですけれど?

しかし、食べてみると、けっこう食べられる。なんたって美味しいのだ。ついつい、箸が進むのである。もっとも、もえあずさんは隣でにこにこしながら、とんでもない量を次々と飲み込んでいた。そして、その料理の味も、おお、わかる、わかるぞ、違いが! バブル期に浮かれまくった生活をしていた私の舌は、それなりに鍛えられていたのである(ほんとか?)。

◆普段なら1500円ではぜったいに食べられない

さて、審査である。点数は、ネーミングやインスタ映え、味、地元食材の使い方など細かく評価ポイントがあり、点数をつけていく。だれが何に何点入れたかは非公開だけれど、陳建一審査委員長の「忖度なし!」の大号令のもと、まさにガチで点数どおりの優勝が決定した。優勝は、友部SA(上)! 準優勝は、長者原SA(上)! さらに、審査委員特別賞は、岩手山SA(上)と、那須高原SA(下)! 私が当てたかどうかというと、えーっと点数非公開なので言えません。でも、バブルの経験は無駄ではなかったと書いておこう。でもね、ほんとはどれも美味しくて、見栄えもきれいで、甲乙つけがたかったというのは、陳建一審査委員長の講評にあったとおりです。

ところで、審査委員控室では、ある一皿が話題になった。「おいしかったー」「あれ、もう一度食べたい」と女性側からうっとりコメントが連発したのである。それは、審査委員特別賞になった岩手山SA(上)のメインディッシュであるビーフシチュー。もしも、「ひと皿賞」があるなら、まちがいなくこれだろう。

SA・PAで働く人たちの思いのこもったメニュー。もうひとつの審査委員特別賞になった那須高原SA(下)のメニューは、一見運びにくそうな盛り付けなのだが、開発中にはフロアの人たちが、お皿の下になにを敷くとすべらずに運べるかを考え抜いたんだそうだ。まさにチーム力。決勝大会の10メニュー、いや、大会に参加した42メニューは、1500円ではぜったいに食べられないほどの原価率で作られていて(内緒の情報!)絶対お得。そして美味しい。ぜひ、食べにいっていただきたい。

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

《岩貞るみこ》

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