【岩貞るみこの人道車医】成人年齢引き下げへ、運転免許取得も「16歳から」にする意義は大いにある | CAR CARE PLUS

【岩貞るみこの人道車医】成人年齢引き下げへ、運転免許取得も「16歳から」にする意義は大いにある

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成人年齢引き下げにともない、様々な法律が見直される。免許取得年齢の引き下げも検討の余地あり…?(写真はトヨタカローラ教習車)
成人年齢引き下げにともない、様々な法律が見直される。免許取得年齢の引き下げも検討の余地あり…?(写真はトヨタカローラ教習車) 全 1 枚 拡大写真
【運転免許】2018年3月13日の閣議で、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が決まった。きっかけとなったのは、「18歳の選挙権」こと、国民投票法成立である。成人年齢を18歳への引き下げは、2022年4月1日からの施行を目指すとのことだ。

18歳で成人となると、いろんな疑問が出てくる。むむ? お酒は? タバコは? ギャンブルはどうなるの? 成人年齢引き下げのタイミングで、どうやらこれらの年齢に関する法律も見直されていくようだ。

お酒もタバコも年齢は変わらず、文言が「未成年は禁止」から「20歳未満の者は禁止」に改められる。競馬や競輪などの公営ギャンブルも同様のようだ。女性の結婚できる年齢は16歳から逆に引き上げられ、男性と同じ18歳からに。一方、未成年者は5年間有効のパスポートしか作れなかったけれど、こちらは18歳以上から取得できることにするようだ。

そうだよね、18歳にもなれば、そうそう顔カタチはかわらないし。だけど、パスポートが10年間使えるというのなら、国際免許証もそうして欲しいなあ。少なくとも、そこに貼り付ける顔写真くらい、「6か月以内に撮影」を、10年以内とは言わないけれど、せめて5年以内にしてくれてもいいと思う。写真、いちいち撮影するのって、結構、大変なんだもの。一回、撮影した写真を5年くらい使えたら、どれだけ楽なことか(いちど、二回連続で同じ写真を使おうとしたら、しっかり受付で拒否されて、撮影しなおした経験あり。だって、顔、変わらないじゃん! パスポートだって公的証明書として10年有効じゃん!ってゴネたけどダメだった……それって、単に施設内にある写真撮影機械をもうけさせているだけだよねって本気で恨んだものだ)。

◆運転免許証の取得年齢を「16歳から」に

このように、2022年4月1日に向けて、さまざまな年齢に関する法律が見直されている今、ぜひ、見直してもらったらどうかと思うのが、運転免許証取得年齢である。18歳を16歳に引き下げてほしいのだ。

《理由:その1》
就職に有利だから。いまは、好景気になり高校生の就職も売り手市場というけれど、いったん不景気になったらひどいことになるのはご存じのとおり。もちろん、大学生だって大変だ。せめて、運転免許証を持っていれば、それなりに仕事が見つけられると思うのである。採用側だって、その方がいいでしょうし。二輪車の免許取得年齢が16歳からなのは、新聞配達等々、勤労若年層に配慮してのことだ。だけど今の時代、二輪の免許証を持っていてできる仕事にはかなり制限がある。だったら、四輪の運転免許証を16歳からとらせてあげればいいのにと思う。

《理由:その2》
某調査によると、大学生のときにクルマを使って遊んだかどうかで、その後のカーライフが大きく変わることはわかっている。だけど最近の大学生は、お金ないし、時間ないし、ほかに楽しいことがあるしで、なかなか免許をとらない。そして、クルマがなくても楽しめる遊び方を覚え、その後も免許をもたず、クルマも買わない(乗らない)大人になってゆくのだ。だったら、高校生のうちに、とらせてあげればいいのにと思うのである。

◆道路交通法を早期に身につけるメリットも

そこで、足カセになっているのが、免許取得可能年齢の18歳である。18歳は、高校3年生で到達する年齢だ。正直言って、大学進学率の高い昨今、高校三年生は受験勉強で運転免許証なんてとっている場合じゃない人が多い。それに、大学を受験しない生徒も、誕生日が2月や3月だったら、卒業までに免許取得はむずかしくなってくる。教習所によっては、誕生日の1~2か月前から入校を許可しているところもあるけれど、多くは18歳の誕生日を過ぎてから。それに、いくら教習所内で練習をしても18歳にならないと仮免許試験は受けられないのだ。

だったらいっそのこと、四輪の運転免許を16歳からにしてあげれば、誕生日の早い生徒は、高校一年生の長期休暇に、2月や3月の生徒だって2年生の夏休みに取得することができる。3年生の夏休みは思う存分、受験勉強にいそしむことができるのだ。それに、自転車の事故は中高生になると激増する。少しでも早いうちに運転免許を取得させ、道路交通法を教えるのはアリだと思うのだ。

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岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

《岩貞るみこ》

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