【カーオーディオ・マニア】 音を良くしていく過程を楽しむのがオーディオの醍醐味のひとつ!…イングラフ(青森県)
特集記事
インタビュー
イングラフの創業は2006年8月。子供の頃からクルマ好きだった代表の木村さんはいったん社会人になった後に、クルマへの思いが忘れられずパーツ量販店に勤めはじめる。最初は走り系のチューニングや車両整備に力を入れていたが、あるとき愛車のスピーカーを交換したところ音が激変することに驚きカーオーディオの世界に魅了される。そこから一気にオーディオの世界に浸かることになり、技術レベルを高めるためにプロショップへ修行にも行き、程なくして量販店ではインストールを担当するまでに成長する。
「研修に行ったプロショップで聴いたデモカーの音が衝撃的でした、その頃から“良い音って何だろう”と考え初めて、自分でもどんどん追求していきたくなったんです」。
さらにオーディオの魅力に引き込まれていった木村さんはプロショップへの転職を決意。そのショップは“ホーム”と“カー”の両方を扱うショップだった。これが“オーディオショップはホームとカーを両方扱うのが基本”という今の木村さんの原点になっている。
ここでの経験をステップにして、ついに2006年には「イングラフ」を創業。地元の八戸には量販店時代から木村さんを信頼している常連客もいたため、八戸にプロショップを作りたいと考えたのだ。
「自分にとっての良い音はホームオーディオが基準になっています。以前、勤めていたショップでも超弩級のホーム機器を聴く機会も多かったんです。なんとかカーの環境でも良い音を引き出すことができないかと考えていました。当時は50万円クラスのトールボーイの音を車内で出すのをテーマにしていたほどです」。
「イングラフ」開店後はオーディオコンペにも積極的に参加し、まもなく上位入賞常連となる実力派のショップになる。すでに音作り、インストールの面で高い技術レベルを備えたショップになっているひとつの証にもなった。
「良い音を作るベースとなるのは“良い音をたくさん聴いている”ことだと思います。今もホームの良い環境でたくさん音を聴くことを大切にしています。ホームで音を確認してクルマに反映させることをこれまでもやってきました」。
木村さんの接客スタイルはとにかく会話すること。オーディオの話や音楽の話はもちろん、日常の些細なことまでをユーザーと話しフレンドリーな関係を築き、客のニーズを的確に引き出してくれるのが独自のスタイル。また客同士をつなげるのも得意としている。来店した客に常連客のクルマの試聴を促したりすることで客同士のコミュニケーションを活発にしている。これは来店するユーザーが緊張したり構えたりすることなくオーディオを楽しめる環境を作るためなのだ。ピットの片隅にはユーザーが集まるスペースがあったり、店舗2階にはビリヤード台を置いたシアタールームを完備するなど、ユーザーに楽しんでもらう態勢を作っている。
システム提案でもユーザーライクなスタイルを貫く。予算に合わせた最良のシステム提案に加えて、次のシステムアップを想定したアドバイスも同時に行うことでオーディオを進化させる楽しさを教えてくれる。“今これを買っておくと後でムダが無い”“このユニットは後々買い換えになるから今は必要ない”などユーザー目線でアドバイスをしてくれるのも客側から見てもありがたい点だ。
「オーディオは買うまでがもっとも楽しいと言うのボクの持論です。買ったら次は音の変化やシステムアップの楽しみが出てきます。終わりがない楽しみ方ができるのもオーディオなんです」。
積極的にユーザーと関わり持つ木村さんは、ことあるごとにお客さん達にオーディオの楽しみ方を話しているという。
「“音楽”は音が悪くても楽しくて心地良ければそれでいいんです。しかし“オーディオ”は良い音を作る過程が楽しいんです。そこで良い音を作るためにはホームの音も聴いて欲しいですね。そのためショップにはホームの試聴環境も整えています、ここでユーザーにも音を聴いて良い音を作る過程を楽しんで欲しいです」。
ユーザーとともにオーディオのレベルアップを楽しむ、そんなスタイルがイングラフ流。ショップと一緒になって音の進化を楽むことができる同店に一度訪れてみてはどうだろう。
【プロショップ訪問記】 イングラフ(青森県) 「音を良くしていく過程を楽しむのがオーディオの醍醐味のひとつ」
《土田康弘》
この記事の写真
/