【カーオーディオ・マニア】フロントスピーカーをどう鳴らす? 第9回「ダイヤトーン研究」 | CAR CARE PLUS

【カーオーディオ・マニア】フロントスピーカーをどう鳴らす? 第9回「ダイヤトーン研究」

特集記事 コラム
DS-G300
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カーオーディオシステムの中心的ユニットであるフロントスピーカー。その“鳴らし方”を研究している当短期集中連載。第9回目となる今回からは、ブランドごとに製品の特徴を分析していく。自分好みのスピーカーを探している方は大いに参考にしていただきたい。


■「ダイヤトーン」独自開発の革新的振動板素材『NCV』が、さらに進化!

今回は、国産人気ブランドの1つ「ダイヤトーンにスポットを当てる。

さて、「ダイヤトーン」は現在、車載用のコンポーネントスピーカーを3機種ラインナップしている。製品数は少ないながらも、エントリー、ミドル、ハイエンドとバランス良く製品を擁し、幅広い層に使われている。

1機種ずつ特長を紹介していこう。まずはエントリーモデルである『DS-G300』(税抜価格:8万円)から見ていこう。

当機は2017年の秋に発売開始されたモデルであり、3機種の中での最新モデルである。ちなみに、当機が登場する以前の最エントリー機種は『DS-G20』(税抜価格:6万円)であった。で、当機はその後継機、と思いきや、新型機と捉えるべきモデルとなっている。価格が2万円上がり、そして製品名の数字のケタが違っていることからもわかるとおり、『DS-G20』とはいろいろな部分で顕著な進化が果たされていて、“別グレード”の製品と言うべき完成度が示されているのだ。

最大の進化ポイントは、「ダイヤトーン」独自開発による『NCV(ナノ・カーボナイズド・ハイベロシティ)』のスペック。『DS-G20』では音の伝搬スピードが5000m/秒であったところが、『DS-G300』ではそれが5900m/秒にまで高められている。そもそも『NCV』は、音の伝わるスピードと、素材そのものの持つ固有音のなさを両立させた画期的な樹脂素材であるのだが、その素性が一段と向上されている、というわけだ。


■新開発の『Wサイド・ソリッドライン構造』により、振動板の動きがより正確に、効率的に。

その上で、ミッドウーファーの振動板においては、『Wサイド・ソリッドライン構造』が採用されていて、これにより、ボイスコイルの動きに対して振動板の外側がほとんどたわむことなく正確に効率的に動作できるようになっている。結果、サウンドのエネルギー感が向上し、そして聴感上のS/N感も良化して自然でダイナミックな再生が実現されている。

『DS-G300』は、エントリー機としては価格は高めではあるものの、サウンド的な満足度は高い。つまり、コストパフォーマンス高く仕上げられているというわけだ。最新機種ならではの利点を多々携えた、価値あるエントリースピーカーと言っていいだろう。

さて、続いてはミドルモデル『DS-G500』(税抜価格:16万円)を紹介しよう。当機は2014年の秋から発売開始されていて、現行の車載用「ダイヤトーン」スピーカーの中ではもっとも古くから存在している機種となっている。

当機が目指すサウンドは、「感動や癒しといった音楽が持つ力を正確に伝えること」。ミュージシャンや録音エンジニア等々の思いを損なうことなく、音源に含まれる音楽情報をそのまま再現しようとされている。

それを実現できているキモもまた、『NCV』が使われていることにある。

なお『NCV』は、ツィーターに使用できることも特長で、それによりツィーターとミッドウーファー間の音色の統一が図られ、音の繋がりを良好に保つことが可能となっている(『DS-G300』でも同様)。

当機は中級グレードとは言いつつも、ハイエンドの入門機的な位置付けにあると言っていい。価値あるミドルグレードスピーカーをお探しならば、『DS-G500』にもご注目を。


■理想的な振動板素材『B4Cプレミアムボロン』が採用されたハイエンド機『DS-SA1000』。

最後に、フラッグシップスピーカー『DS-SA1000』(税抜価格:67万円)を紹介しよう。

当機にはさまざまな技術的な特長が盛り込まれているのだが、特に注目すべきは2点。1つはツィーターの振動板素材に『B4Cプレミアムボロン』が使われていること。もう1つは、ミッドウーファーにおいて“フルピストンモーション”が実現されていること。

それぞれ詳しく解説していこう。まずは『B4Cプレミアムボロン』について。ところでスピーカーの振動板素材には、高剛性であることと軽量であることが求められるのだが、この2つは相反する要素であるので、これを高次元で実現できる素材はなかなかない。しかし『B4Cプレミアムボロン』は、それを高次元で実現できている。ダイヤモンドに次ぐ硬さとアルミニウムより軽い比重を同時に達成できているのだ。さらには、「ダイヤトーン」ならではの先進の成形技術により、不要共振による固有音を抑える適度な内部損失も実現されている。

結果、『DS-SA1000』のツィーターからは、これでなければ聴けないスペシャリティの高いサウンドが醸し出される。その響きに魅せられているユーザーは多い。

続いて、「ミッドウーファーにおいて“フルピストンモーション”が実現されていること」について解説しよう。

まず“フルピストンモーション”というのは、振動板の内側と外側がたわむこと(“分割共振”すること)なく、常に平行に振動する、というような状態を指す。ミッドウーファーは再生帯域が広いので、通常は高域側の再生を行おうとするときにはどうしても、振動板の内側と外側が平行に動かずに波打ったような動きをしてしまう。

しかし『DS-SA1000』のミッドウーファーは、“フルピストンモーション領域”が大幅に拡大できている。一般的な2ウェイスピーカーでは“分割共振”は避けられず、そこが弱点となるのだが、『DS-SA1000』ではその弱点とほぼ無縁なので2ウェイのメリットばかりが活きてくる、というわけなのだ。

『DS-SA1000』は価格的には“高値の華”的な製品であるが、カーオーディオにおける1つの到達点ともいうべき製品でもある。買う買わないは別にしても、一聴の価値の高い製品であることは間違いない。

いかがだったろうか。独自の利点をさまざま有している「ダイヤトーン」スピーカー。興味があれば取り扱いショップの店頭、もしくはデモカーで、そのサウンドを体験すべし。

フロントスピーカー、アナタならどう鳴らす? 第9回「ダイヤトーン研究」

《太田祥三》

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