ホンダ 「4ドアセダン愛」あふれたあの頃…【懐かしのカーカタログ】
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◆コンチェルト(1988~1992年)
フラッグシップの初代『レジェンド』に続くホンダとイギリスのローバーグループの共同開発車。ベースは『シビック』だったが、4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションはストロークが伸ばされるなどし、同列の他のホンダ車とはひと味違う、大人びた快適な乗り味が特徴。木目パネルや本革シートが設定された内装、上品な外観(4ドアと5ドアがあった)など、まさに小さな高級車だった。
◆アコード・インスパイア/ビガー(1989~1995年)
4代目『アコード』と前後して登場したモデル。“FFミッドシップ”を特徴とし、搭載エンジンは5気筒(2リットルと2.5リットル)。2805mmのロングホイールベースの“八頭身フォルム”と呼ばれた優雅なスタイリングをもっていた。当初は5ナンバーボディだったが、途中から1775mmに拡幅したモデルがメインに。天童木工製の本木目パネル(ミルトル、ゼブラ)やシート表皮にもこだわっていた。
◆ドマーニ(1992~1997年)
『コンチェルト』の後継車種として登場。シビッククラスの決して派手さはないセダンだったが、全車に運転席エアバッグを標準装備するなど、安全性にも配慮。全高を1390mmと余裕をもたせ、後席は前席より座面を20mm高くし、背もたれの角度も26度(当時の一般的なセダンは28度と当時の資料では説明している)としたことで快適な着座姿勢を造っていた。窓まわりに段差を作らないプレスドアで、見た目と風切り音の低減に配慮。
◆アスコット/ラファーガ(1993~1997年)
『アスコット』の初代は4代目の『アコード』セダンとの“形違い”だったが、写真のカタログの2代目では、新たに『ラファーガ』を兄弟車として従えデビューした。『インスパイア/ビガー』と同じ5気筒FFミッドシップで、ただしホイールベースはこちらは2770mmとし、手頃なセダンに仕立てられていた。
どちらかというと、これみよがしなトコロがない趣味のよさが感じられるセダンで、さり気なく、当時は先端の電動格納式液晶ディスプレイのホンダ・ナビゲーションシステムなどを設定した。
◆シビック・フェリオ(1991~1995年)
今回選んだ中で、『シビック』というと本流といえるモデル。しかし“フェリオ”のサブネームが付いた本モデルは、ハッチバック系同様、ノッチバックセダンとして5世代目にして大改革されたモデルだった。というのも、SiRに専用のフル4シーター・スポーツシートが与えられたから。当時、デザイナーへのインタビューの席で「ほぉ!」と驚かされたのを思い出す。スタイリングもハイデッキのセダンとしては斬新なものだった。
◆バラード(1983~1986年)
『バラード』は『シビック』の4ドアセダンの兄弟車として初代から設定があった。3代目“ワンダー・シビック”の“3シリーズ(3ボックスの4ドアセダン)”とも基本は共通だったが、何とスポーツクーペのバラードスポーツ『CRーX』と同じ、セミリトラクタブルヘッドライトが与えられていた点がポイント。とはいえ筆者はこの実車を目の当たりに見た記憶がなく、しかも後期型では普通の固定式ヘッドライトに改められていたのだった……。
「セダン愛」あふれたあの頃のホンダ4ドアセダン【懐かしのカーカタログ】
《島崎七生人》
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