日産自動車は、女優の伊藤かずえが同社のセダン、初代『シーマ』を30年以上乗り続けていることに感謝し、伊藤の愛車を4月26日より預かり、日産自動車のグループ会社であるオーテックジャパン(神奈川県茅ヶ崎市)でレストアを開始した。
オーテックジャパンはカスタムカー、福祉車両、商用特装車の企画、開発、生産、販売を行なっている会社だ。26日の午後1時過ぎ、伊藤がシーマに乗って来社。しばしのお別れになる前のラストドライブで走行距離が26万6500kmになったという。「メーターは戻さないで欲しいですね」と伊藤。
2020年10月に、伊藤がシーマの1年点検についてSNSに投稿したことがきっかけとなり、伊藤が長年シーマを愛車としていることが話題となった。日産社内でも有志チームが立ち上がり、「日産からの感謝の想い」をレストアで伝えることになった。伊藤は「『そろそろレストアを考えてみては?』という意見をもらい、考えていたところに、日産から提案された」という。
伊藤は「昨日はなかなか寝付けなかった。半年間シーマに乗れないのは寂しいので、頻繁にシーマを見に行きたい」と語る。レストアが完了したら、シーマは高速走行の安心・安全感がある車なので、遠くに行ってみたいそうだ。
スペイン語で「頂上」の名をもつシーマ。初代FPY31型は、「日本的な味を持った、世界に通用する新しいビッグ・カー」をコンセプトに、1988年(昭和63年)に発売された。それまでの国産大型セダンになかった伸びやかで気品あるスタイリングとインテリア、パーソナルな乗り味や優れた運動性能など、数々の新しい価値が好評となり、“シーマ現象”と言われるほどの人気車になった。 発売翌年の物品税廃止(消費税導入)も追い風になった。
今回レストアされる伊藤の愛車は、V6・3LのVG30DET型ターボエンジン(最高出力187kW=255ps)や、電子制御エアサスペンションをもつ、最上級グレード「タイプIIリミテッド」だ。
レストアの状況は、日産公式Twitterなどで発信される予定。レストア期間中、伊藤には『キックス』が代車として提供される。