太陽光から愛車を守る ヘッドライトを蘇らせる本格DIY術
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1990年代頃までのガラス製ヘッドライトに代わり昨今では当たり前となったPC素材は、紫外線を主要因とする経年劣化で細かな亀裂や白濁・黄変を呼び起こし、症状が進行すると光量の低下も招いてしまう。
他方で、2015年には車検の検査基準が変更され、光軸・光量規定の厳格化や白色への限定が規定されたため、ヘッドライトが劣化したままでは不適合となる事例が増えているという。加えて、近年では、ハロゲンやHIDに代わり、アッセンブリー交換が高価なLEDヘッドライトも増加。そうした背景もあり、ヘッドライトのリペア・保護へのニーズが高まりつつある。
◆磨いた後どう保護する? DIY可能な専用スプレー登場
現在、ヘッドライトケアの手段としては大きく「1研磨後に塗装・コート剤で保護」「2特殊なスチーム溶剤での処理・保護」「3プロテクションフィルムでの保護」の3つがある。
従来からの定番とされているのが1で、研磨して整えた表面にクリア塗装もしくはコーティング剤で保護膜を形成するオーソドックスな方法。2・3と異なり専用資材を必要とせず、カー用品店やホームセンターなどで簡易な磨き・コート剤キットなども広く販売されており、DIYでも浸透している。
ただ、この手法での保護膜の形成は、簡易コート剤では耐久性の点から比較的短時間で劣化が再発するリスクがあり、一方でクリア塗装の場合は、PC素材に適したウレタンクリアが2液混合タイプが多いため、スプレーガンなどの塗装設備・技術を持つ事業者以外では施工が難しいといった難点があった。
そこで、愛知県のヘッドライトリペアを得意とする専門ショップ「ロケットスタート」が6月に新発売したのが、スプレー缶式クリア塗料「ブライトマンCP」だ。スプレー缶式クリア塗料は量販店などでも目にするが、その多くはボディ塗装用で強溶剤のため、実はヘッドライトに塗装すると素材を侵食する恐れがあるそう。PC素材専用のブライトマンCPはそのリスクが少なく、その一方で、25μm以上の標準施工膜厚でヘッドライト専用コーティング剤を上回る耐擦過傷性、耐候性を発揮。塗装設備を使わないDIYでも、塗装と同様の保護性能を実現できるのだ。
ちなみに、前述2のスチーム方式は施工時間が短く、高い透明度を発揮できる、3のプロテクションフィルムは耐久性が高く、スモークなどの場合はファッション性も付加できる(光量低下に要注意)など、それぞれに長所がある。ただ、スチーム方式は特殊溶剤の作用が強力なため取り扱いが難しく、プロテクションフィルムも複雑な形状のヘッドライトでは施工難度が高いなど、専門のプロに任せた方が良い側面もある。
ロケットスタートの三瀬代表は、「それぞれのリペア・保護方法に一長一短があり、何よりすでに生じている劣化をリペアする場合は、適切な下地処理が肝要となる。愛車の現況や、あと何年乗り続けたいかといった要望に合わせ、DIYか専門店での施工かも含めた適切な手法を選択してほしい」と話している。
◆DIYするなら身体ケアも
年々平均気温が増す中、愛車をDIYでケアする際には、身体へのケアにも万全を期してほしい。特に着用したマスクが息苦しさや熱中症リスクを高める今日では、暑い中でのDIY作業をサポートするツールも活用したい。
電動ポリッシャーを筆頭に、高品質なツールが幅広いプロから支持されている京セラインダストリアルツールズは6月、新たにモバイルネッククーラー「DNC5000」を発売。首に掛けて身体を冷却するアイテムで、2枚の冷却プレートと左右の小型高性能ファンが、首元にある太い血管・首周りから身体を効率よく冷却。羽のサイズに工夫が施された独自設計の高性能ファンは、電話をしながらでも風切り音が気にならないという。
首に掛けても重さを感じない180gの軽量設計で、プロ・アマ問わず幅広い現場で活用できる一品。梅雨が明けてこれから迎える夏本番。DIYを助けてくれるアイテムとともに、クルマにもドライバーにとっても一利一害の太陽光対策に臨んでみてはいかがだろうか。
《カーケアプラス編集部@相原駿》
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