カーオーディオを嗜もうとするときには、「製品選び」も楽しむべきポイントの1つとなる。そこを大いに満喫していただくべく、チョイスのコツを紹介している当特集。今回は、“AV一体型ナビ”の選び方を解説する。
なお当特集記事は毎回、全国の実力「カーオーディオ・プロショップ」に取材して制作している。今回は、広島県広島市の人気店、“Kサウンド”に協力を仰いだ。参考になる情報が多々得られた。さて、その内容とは…。
◆市販ナビを付けたいのなら“オーディオレス車”を選ぶべき! その設定がないときには…?
ところで、“AV一体型ナビ”を買おうとするのは新車購入時である場合が多い。というわけでまずは“Kサウンド”の石井さんに、そのときの注意点を教えてもらった。
「おクルマを買われるときに市販の“AV一体型ナビ”を付けたいと思ったら、その前にまず、“カーオーディオ・プロショップ”にてご相談されると良いと思います。なぜなら、おクルマを買ってから検討するとムダな出費がかさんでしまうことがあるからです。
その理由は以下のとおりです。市販ナビを取り付けたいと思ったときには“オーディオレス車”を選ぶことになりますが、その設定がない車種も増えてきました。しかしそうであっても市販品が取り付けられないわけではありません。なので事前に、市販品が付けられるのか、付けられるのであればどのくらいのコストがかかるのかを“カーオーディオ・プロショップ”にて確認しましょう。そして市販品を付けようと決断したら、どうするとムダが出ないのかも相談しましょう。
例えばトヨタ車純正ディスプレイオーディオしか選べない車種では、純正の地デジチューナー等のオプション品を購入してしまうと市販ナビを付けたときにそれらがムダになります。市販品ではそれらが使えなくなるからです。
あとは、プレミアムオーディオシステム等も選ぶべきではありません。それらの中にはスピーカーの抵抗値等が特殊な仕様になっている場合が少なくなく、そうであると市販ナビではしっかり鳴ってくれません」
◆最初に絞り込むべきは、「純正装備品を活かせる機種」!
続いては、“AV一体型ナビ”選びのポイントを教えてもらった。
「まずは、おクルマの装備がムダにならないモデルを選びたいですね。例えばフリップダウンモニターが装備されているのにリアモニター用の映像出力がないモデルを選んでしまうと、それを使えなくなってしまいます。なおこういったことも、事前に“カーオーディオ・プロショップ”にて相談すれば確認できます。そうして必須の機能を把握し、それらが揃っているモデルの中からマイベストを選び出しましょう。
マイベストを見つけるには、こだわりたい部分は何かを考えると答が見つかりやすいです。
例えば音にこだわりたい場合には、サウンドチューニング機能が優秀なモデルが向いています。具体的には、カロッツェリアの『サイバーナビ』と三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』、この2機種が抜けています。これらならフロントスピーカーのツイーターとミッドウーファーとを個別に制御できますので、緻密なチューニングを行えます。
また以下の機種も、これらに準じて高性能です。アルパインの『ビッグX』、パナソニックの『ストラーダ』の上級機、ケンウッドの『彩速ナビ』の上級機、カロッツェリアの『楽ナビ』、これらです。これらには簡易的なタイムアライメント機能が付いていて、サブウーファーのコントロールもしやすいです」
◆スマホを“ミラーリング”したいのなら、HDMI端子の装備はマスト!?
「ところで、BluetoothとHDMIの装備はチェックすべきです。まずBluetoothに対応していると、スマホの無線接続が可能になり都度の接続も自動で行われますので、音楽はスマホで聴くという方にとってはとても便利です。とはいえ、昨今の市販“AV一体型ナビ”のほとんどが対応しているのですが。でも、ベーシック機の中には省かれている機種もありますのでご注意ください。そしてスマホの“ミラーリング”をされたい場合には、HDMI端子が装備されたモデルを選びましょう。
続いて、エンタメ機能が充実したモデルが良いという場合には、カロッツェリアの『サイバーナビ』が頭1つ抜けています。当機はブラウザが搭載されていますので、YouTubeを観たいという方には特に便利です。動画検索等の操作もナビ画面上にて行えますので、ミラーリングよりかなり便利です。
あとは、大画面モデルがご希望でしたらアルパインの『ビッグX』かパナソニックの『ストラーダ』が候補になります。前者には11型モデルが、後者には10型モデルがラインナップしていますから。ちなみに10型の『ストラーダ』には有機ELディスプレイが搭載されていて、画質の面でも優れています。
一方コスパを優先させたい場合には、ケンウッドの『彩速ナビ』もお薦めです。価格の割に高機能で音も良いですし。
お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。さらに詳しくご説明いたします。その他のご提案もさまざまできると思います。お待ちしています」