速さ復活? レース界の「メンテナンス」を参考に愛車復活へ | CAR CARE PLUS

速さ復活? レース界の「メンテナンス」を参考に愛車復活へ

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速さ復活? 極限のメンテナンスを参考に愛車復活へ[カスタムHOW TO]
速さ復活? 極限のメンテナンスを参考に愛車復活へ[カスタムHOW TO] 全 3 枚 拡大写真

レースの世界はいかに速く走らせるのかのノウハウがいっぱい。とくにワンメイクレースはわずかな差で勝負が決まるだけに、細かなメンテナンスが速さを生んでいるシビアな世界なのだ。

◆もっと良くしたいという思いをどうすればいいのか

愛車をもっと乗りやすく、燃費も良くしたいと思うのは当然のこと。そこで参考にしたいのがレース界のノウハウだ。レースと言えばとにかく全開でそんなこと関係なさそうに思うが、大いに関係ある。多くのレースではレギュレーションが定められていて、エンジンパワーも出せる限りがあるので、そのルールに抵触しないようにどれだけパワーを引き出せるのかが速さにつながるのである。

とくにワンメイクレースはシビア。同じクルマ、同じパーツでレースを競う。ヤリスカップなら変更できるのは、アライメント、空気圧、リアの減衰力調整、ブレーキパッド変更、オイル変更のみ。GR86Cup クラブマンクラスだと、アライメント、空気圧と前後サスペンションの車高、プリロード、減衰力調整、パッドとオイルくらい。これだけしか変更できないのに、ストレートが速いとか、立ち上がりが力強いクルマが確実にいる。

そういったクルマはもっぱら「インチキだ」と言われるのだが、そんなことはない。むしろインチキして違反が見つかったとき、個人参加なら「すみませんでした」という話だが、名門チームになればスポンサーも多く、それらを失うリスクを考えたらレギュレーション違反をするのは得策ではない。ルール内で速くなる秘訣を見つけようと日々努力しているのだ。ならば、そのノウハウをいただいてマイカーに活かしてしまえば、もうちょっとクルマが良くなるはずである。

◆レースに学ぶノウハウ1
エアクリーナーフィルター新品

まずは基本に忠実にメンテナンスするのが大切。そういったことを怠って「このクルマは遅い」というドライバーはたいてい速くないものでもある。まずはエアクリーナーフィルターの交換から。エンジンに吸い込む空気を浄化するのが役割。抵抗が少なければ、その分だけエンジンには空気がたくさん入り、パワーも出しやすい。とりあえず、純正新品にすること。アフターパーツでもいいが、レースでは純正品しか使えないのでその新品となる。ストリートカーならアフター品の高効率フィルターにするのもあり。意外と効果がある。しかし、せっかくの高効率フィルターだからといって、長く使っては汚れが詰まって抵抗が落ちてしまう。洗浄できるものなら数千キロごとに洗うべきだし、非洗浄なら新品に交換する。

◆レースに学ぶノウハウ2
スパークプラグ新品交換

こちらもエンジンの基本である「よい空気、良い点火、良い圧縮」の基本にのっとり、プラグも新品にして点火を元気にしてあげること。プラグは10万km無交換などの純正品も多いが、それは10万kmが使用上限というだけで、数万kmごとに交換しても悪いことはない。

むしろ、1万kmくらいごとに変えられるなら交換したほうがもちろん調子は良くなる。サーキットでガンガンに走るなどなければ熱価を変える必要もない。高性能な高級プラグにしてもいいが、まずは純正新品に交換することが重要だ。

◆レースに学ぶノウハウ3
O2センサー新品交換

排気ガスのO2を測定してフィードバックしているのがO2センサーの役割。エキゾーストパイプにセンサーが刺さっていて、排気ガスを測定している。一般的にはアイドリング領域での排ガスを綺麗にするために機能していると言われるが、実は速さにも関わるという。ワンメイクレースではO2センサーを新品にして予選とレースを走行。普段乗りの時はもともと使っていた古いO2センサーに戻して、新品は予選と決勝のレース時だけ使って、傷まないようにするのだという。使い込むごとに測定精度が落ちるので、できるだけ傷まないようにレース時だけ使って、普段は古いセンサーを使用するのだという。一般的には数十万km走って、エラーが出て初めて交換することが多いパーツだが、ある程度走行距離が進んでいるなら交換してみるといい。

◆レースに学ぶノウハウ4
バッテリー充電

バッテリーが弱ってくると充電しようとオルタネーター(発電機)が一生懸命仕事をする。ベルトを介してエンジンの回転で発電するので、エンジンパワーが食われる。少しでもそのロスが減るようにバッテリーはできるだけ満タンにしておきたい。レースでは走行直前まで充電器につないでいるチームもある。もちろん、バッテリーが弱ってきていたら意味がないので、ある程度使ったなら新品交換もしておきたい。電源のある駐車場でないと厳しいが、夏場や冬場などバッテリーに厳しい時期は、定期的に充電することでクルマが元気に走ってくれるのだ。


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《加茂新》

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