経済産業省は8月31日、蓄電池産業戦略検討官民協議会が蓄電池の製造基盤確立に向け、国内外における製造能力確保や、実現に必要な資源量の目安、蓄電池人材の育成・確保の目標をまとめた蓄電池産業戦略を策定したと発表した。
それによると、カーボンニュートラルの実現のカギとなる蓄電池について、液系リチウムイオン蓄電池・材料の国内製造基盤として遅くとも2030年までに150GWh/年とする。グローバル市場では、2030年に、日系企業が製造能力600GWh/年の確保を目指す。
次世代電池とされる全固体電池を2030年ごろ本格的に実用化し、2030年以降の技術リーダーの地位の維持・確保する目標を設定した。
また、目標を達成するための具体的な取り組みとして国内基盤拡充のための政策パッケージ、グローバルアライアンスとグローバルスタンダードの戦略的形成、上流資源の確保、次世代技術の開発、国内市場創出、人材育成・確保の強化、国内の環境整備強化の方向性をまとめた。
同時に、上流資源の確保については、国内とグローバル製造能力に必要な資源量の目安を示した。加えて、人材育成・確保では、2030年までに蓄電池サプライチェーン全体で合計3万人の人材育成・確保を目標とする。
一方、蓄電池関連人材を育成・確保するため、蓄電池関連産業が集積する関西エリアを中心に、目指すべき人材像を具現化するとともに、そのために必要な取り組みについて検討するため「関西蓄電池人材育成等コンソーシアム」を設立することも決めた。
近畿経済産業局が電池工業会(BAJ)、電池サプライチェーン協議会(BASC)とともに、コンソーシアムの事務局を務め、産業界、教育機関、自治体、支援機関等が参画して議論する。