◆記念すべき30回にファン殺到!
毎年恒例のカスタムショーが、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて12月4日(日)におこなわれた。海外からも熱視線を浴びる『YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2022』(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー)だ。
30回を迎える記念すべき今回。来場者は過去最高となる2万1000人にもなり、朝8時の開場前から長蛇の列が続く盛況ぶりだった。
◆ベストバイクの行方に注目
出展車両もバイクは500台、クルマも300台を超えるという賑やかさ。コンテスト形式になっていてアワードは多岐にわたるが、モーターサイクルにおける総合優勝に相当するのが、Best of Show Motorcycle となる。
栄光の行方にファンらの注目が集まるなか、2012、2018年以来3度目の頂点に輝いたのが、CUSTOM WORKS ZON(カスタムワークスゾン=滋賀県蒲生郡)だった。
心臓部はハーレーダビッドソンのVツイン“ショベルヘッド”(1973年式)で、加工のしにくいアルミを素材にフレームから外装まですべてを製作した。ビルダーの吉澤雄一さんによると、「自分たちも創業20周年を迎え、なにができるかを考え、敬遠されがちなアルミでやることに挑戦しました」とのこと。
アルミの塊や板から一点ずつ構成パーツを削り出したりカットし、溶接するなど膨大な時間と手間をかけて作業した植田良和さんは、アルミを曲げる工程が特に難しく、徹底的にこだわったと教えてくれる。
唯一無二のスタイルに手の込んだ彫金が施されるなど、会心の出来栄えでナンバー1の座を獲得したが、ふたりは「まだまだ新しいことに挑戦したい。そうしなければ、置いていかれてしまう」と先を向く。国内外で数々のアワードを獲得し、海外のバイクショーにもゲストとして招待され、審査員も務めるが、目指すところはまだまだずっと高みにある。
◆完成度高いアワード常連組
ディフェンディングチャンピオンのシュアショットは、1998年のハーレーFXDをベースにしたネオクラシックストリートトラッカー"PHASE III"を出展。Best Detail Workを獲得している。
美しいフレームワークやコンパクトでシンプルなタンク、オリジナルデザインのホイールやビレットシリンダーヘッド、ダウンドラフト吸気でのFCRキャブ2基装備など、目をみはるポイントばかりだが、見た目やスタイルだけではなく、ハンドリングや取り回しなど機能や走りにも徹底的にこだわるのが代表の相川拓也さんの流儀であるから、軽快なライディングが味わえることも想像に容易い。
Best Motorcycle AmericanはHide Motorcycle(ヒデモーターサイクル=神奈川県川崎市)のナックルヘッド"Black Bird"。シート下にあるはずのオイルタンクはフレームへ内蔵され、軽快で美しいメタルワークのボディを実現。Vツインから弧を描きつつ出されるマフラーは、エンドへ向かって真っ直ぐに伸び、スピード感も見事にまで演出されている。
◆メーカーブースも盛況
ハーレーダビッドソンのメーカーブースも大きく構えている。注目はまず、NEIGHBORHOO(ネイバーフッド)とのコラボによって完成した世界に1台だけの『ローライダーST』。米国本社デザインチームからのオファーが発端となって誕生したもので、外装を埋め尽くす蜘蛛の巣ペイント(スパイダーウェブ)は、ネイバーフッド主幹である滝沢伸介さんが、1950年代のヴィンテージ・ハワイアンシャツの柄から着想を得たもの。
前後サスペンションを2インチローダウし、シートやハンドル、マフラーも2in1集合タイプに変更されている。本邦初公開となり、ハーレーダビッドソンジャパンの野田一夫代表取締役社長がライドインショーで会場入り。公式ページにて、車両購入権の応募も同時におこなわれた。
また、ネイバーフッドとのコラボによる限定アパレルコレクションの展示もおこなわれた。バイクだけでなく、ファッションもコーディネイトし楽しんで欲しいという、ライフスタイルを提案するブースとなっている。
DJデモもおこなわれ、さながらCLUBの様相だが、迫力のあるサウンドを奏でているのがバイクに搭載したオーディオだから驚く。
プレミアムサウンドシステム『Rockford Fosgate Stage II』によるもので、最大8つのスピーカーをドライブできる最大出力150Wのアンプを積む『ストリートグライド ST』は、アメリカンオーディオの雄「ロックフォード」との組み合わせで、“スペシャルサウンドバガー”に仕上がっている。
大盛況のカスタムショー。アワード、メーカーブースともに新旧ハーレーダビッドソンのVツインが強い存在感を放っていた。