1台のクルマに長く乗り続けるユーザーが増え、中古車購入ニーズも多い中、美観維持やボディ保護を目的としたコーティングへの注目度は高い。
このような背景の中、鈑金塗装事業者向けのバフやパッド、コンパウンドなどの製造や卸販売の老舗として知られる、ゆたか磨材株式会社が、2022年9月28日より「マルワイケンマギケン」の名称でブランドを立ち上げ、カーケアやディテイリングの磨き作業向け製品を販売するオンラインショップをオープンした。
どのような経緯で「マルワイケンマギケン」の立ち上げに至ったのか。同社の特販部 テクニカルマネージャーの竹内禎氏に話を聞いた。
「車の進化に伴い、新車製造ラインや補修塗料に使われる塗料、塗膜の性能が進化し、鈑金塗装の補修磨きの現場では、研磨ツールやパッド、コンパウンド、作業工程の見直しも図らなければ快適な仕上げ作業を維持していくのが難しくなってきています。この流れの中で、これまでシングルアクション・ポリッシャーを主に使用されていた鈑金塗装事業者様が、ディテイリングの現場で使用されているダブルアクション・ポリッシャーを使われる傾向が増え、コンパウンドの研磨特性もディテイリングの磨き作業で使われるものと近くなり、年々共通性が増えていることを感じるようになりました」と話す。
ブランド立ち上げのきっかけ
約4年前の2018年3月。ゆたか磨材は、幅広い自動車アフターマーケット事業者に、自社製品をアピールする目的で、自動車業界関連事業者が一堂に集う商談型のビジネス展示会『第16回 国際オートアフターマーケットEXPO2018(IAAE2018)』に出展。このとき竹内氏は、ボディコーティングのニーズの高さや、新規ビジネスとしてボディコーティングに取り組む鈑金塗装事業者が増えていることを痛感。これがきっかけとなり、ディテイリングの磨き関連製品ブランドを立ち上げようと企画開発に着手したという。
ゆたか磨材には、磨き施工事業部はないものの、竹内氏は以前に鈑金塗装工として補修磨きを行っており、その現場経験を活かしながら商品づくりに邁進。ディテイリングショップやショップの顧客からの提案や協力を得ながら、自社既存製品の改良や新製品開発に取り組み、昨年9月に「マルワイケンマギケン」オンラインショップをスタート。まずは自社既存製品の中から、ダブルアクション・ポリッシャーと組み合わせたときに相性がよいバフとパッド、計31種を販売している。
商品開発を進める中、竹内氏は、新規ビジネスとして、いざボディコーティングの磨きをはじめても、鈑金塗装の仕上げ磨きとは勝手が違い、苦戦しているという鈑金塗装事業者の声を多く聞いたという。「ディテイリングの磨きに注力したくても、どこから入り込んでいけばいいのかわからない事業者様が多くいらっしゃるため、これまで鈑金塗装事業者様向けに様々な商材を長く提供している弊社が、つなぎ役としてサポートしたい。磨きのビギナーの方でも使いやすく、取り入れやすい商品を提供していきたい」と思いを口にした。
ゆたか磨材は「マルワイケンマギケン」ブランドとして、3月7日(火)から東京ビッグサイトで開催される『第20回 国際オートアフターマーケットEXPO 2023(IAAE2023)』への出展が決まっており、この場にて、新製品(水溶性コンパウンド3種、溶剤コンパウンド3種)を初披露する予定とのこと。これからディテイリングの磨きをはじめたい鈑金塗装事業者や整備事業者などは、ぜひブースに立ち寄ってみてはいかがだろうか。