カーライフにまつわるお金や社会事象を横断的に解説している当コーナー。今回は前回に引き続いて、クルマ生活を送る上での必須項目の1つ、「自動車保険」に関する最新動向をリポートする。お得なのは、そして安心なのはどんな「自動車保険」なのか……。
さて前回の記事にて説明したように、任意で契約する「自動車保険」にはタイプ違いが2つある。1つが「ダイレクト型(通販型、ネット型)」でもう1つが「代理店型(店舗型)」だ。で、保険料が少なくてすむのはズバリ、「ダイレクト型」だ。こちらは保険会社的に設備費や人件費等のコストがかかりにくくその分保険料が割安だ。実際、その差は約20%とも言われている。ちなみに「自動車保険料」の平均は大体10万円程度とのことなので、保険内容が同じであれば「代理店型」から「ダイレクト型」へと乗り換えた場合、ざっくり2万円ほど安くなる。この差はけっして小さくはない。
しかし、多くのドライバーに選ばれているのは「代理店型」だ。その比率は「8対2」くらいだと目されている。
ところが、ここにきて「ダイレクト型」に乗り換えるドライバーが微増傾向にあるという。その主な理由は、「ダイレクト型」が割安であることの認知が進みつつあるからで、そして「ダイレクト型」の方が多く宣伝されているので目に付きやすくなっている。また社会全体の傾向としてネットで契約するという行為がかつてと比べて一般化している。これらが要因となり、今、「ダイレクト型」が徐々に人気を上げている。
とはいえ、安心感でいうと「代理店型」に分がある。契約時には自分に向いた保険内容を提案してもらえ、なんなら「自動車保険」以外の保険のことも相談できる。そして事故ったときにも安心、というイメージも強い。これらをメリットと考えるドライバーの方がかなり多い、というわけだ。
しかし実をいうと、事故ったときの安心感に関しては、「ダイレクト型」と「代理店型」とで大きな差はない。なぜなら、事故が起きたときに連絡を入れるのはコールセンターである場合が多いからだ。このことは「ダイレクト型」と「代理店型」とで同様であるケースが多いのだ。
もちろん、事故後の各種手続き等々については、担当者がいた方が安心だ。それも含めればやはり、事故ったときの安心感は「代理店型」にアドバンテージがある。ただ、事故時については大きな差はない。その点は頭に入れておいた方が良いだろう。
というわけで、「ダイレクト型」と「代理店型」にはそれぞれ利点がある。その利点の中身をよく検討し、自分にとって合っているのはどちらなのかを熟考の上、選択しよう。安さを取るなら「ダイレクト型」だ。トータルの安心感を取るなら「代理店側」が向いている。