今年も湿気の多い季節が到来した。そしてこの時期には、車内の“におい”が気になりがちだ。そうなる理由は何なのか、そしてそれらへの対処法について、今回と次回の2回に分けて解説していく。カーライフをより快適に送りたいと考えているドライバーは、要熟読。
さて、車内での“におい”の発生源はさまざあるが、今回は「エアコン臭」について考えていく。
結論から入ろう。エアコンがにおいやすいその理由はズバリ、“カビ”が発生しやすいからだ。
ところで、“カビ”の正体をご存知だろうか。簡単にいうと、“カビ”は菌が繁殖することではびこる。ちなみに菌と似たものとしてウイルスがあるが、ウイルスは自分自身で細胞分裂できない。人の細胞内に侵入することではじめて増殖できる。ゆえに車内のどこかに付着したとしても、放置しておけば時間の経過とともに不活性化する。
対して菌は、水分と栄養があれば自ら増殖できる。なお栄養となるものは、“汚れ”だ。菌が生息しやすい環境は、温度が20度から30度くらい、湿度は70%以上とされている。つまり梅雨時期の今は、1年の中でもっとも“カビ”が増えやすい。
そしてエアコンの内部は、車内の他の場所と比べて特に“カビ”がはびこりやすい。水分と汚れが溜まりやすいからだ。そしてその“カビ”が、におい”の元となる。
なおエアコン内部で特に“カビ”が発生しやすいのは、「エバポレーター」と「エアコンフィルター」だ。
“カビ”が繁殖しやす理由をそれぞれ説明していこう。まず「エバポレーター」とはつまりは冷却装置だが、その使命ゆえに外気との温度差が大きくなるので結露しやすい。そして暗所であるがゆえに乾きにくく湿気がこもりやすい。ゆえに菌が繁殖しやすく“カビ”が増殖しやすいのだ。
でも、対処法はある。エアコンを使用してのドライブの後には以下のようなひと手間をかけると、“カビ”が発生しにくくなる。ドライブの最後、駐車する15分ほど前になったら、エアコンを切り風量を最大にして送風状態で走ろう。または駐車後に暖房を着け、最大温度と最大風量にして10分ほどおく。なおこれらを実践する際には、窓を開けることもポイントとなる。特に暖房を着ける場合には、全開が基本だ。エアコン内部から排出される湿気を車内に留めたくはないからだ。
また「エアコンフィルター」も、外気との温度差により結露しやすい。そしてこの場所にはその役割上汚れが溜まる。また最近の「エアコンフィルター」は菌をキャッチできるほどきめが細かくなっているものが多い。結果、“カビ”やすく“におい”の発生源になりやすい。
これへの有効な対処法は、「定期的な交換」だ。ちなみに交換時期の目安は1年もしくは1万kmと言われているが、“におい”が気になってきたときには、早めの交換が吉と出る。
今回は以上だ。次回はエアコン以外の“におい”への対処法を解説する。乞うご期待。