タイヤで “ 物流課題 ” の解決をアシスト、氷雪上性能と摩耗性能を高次元で両立したトーヨータイヤのトラック・バス用スタッドレス『M939』 が登場 | CAR CARE PLUS

タイヤで “ 物流課題 ” の解決をアシスト、氷雪上性能と摩耗性能を高次元で両立したトーヨータイヤのトラック・バス用スタッドレス『M939』 が登場

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タイヤで“物流課題”の解決をアシスト、氷雪上性能と摩耗性能を高次元で両立したトーヨータイヤのトラック・バス用スタッドレス『M939』 が登場
タイヤで“物流課題”の解決をアシスト、氷雪上性能と摩耗性能を高次元で両立したトーヨータイヤのトラック・バス用スタッドレス『M939』 が登場 全 46 枚 拡大写真

私たちの生活を支えてくれている物流業界。安全かつ安定した運行が実現している背景には、車両の管理からドライバーに至るまで、日々の弛まぬ努力があるからこそ。一方で、物流業界の今は混沌とした課題を抱えている。ドライバーの高齢化にドライバー不足、労働時間の制限を求める2024年問題など、運行や整備に掛けられる人も時間も限られるだろう。

夏タイヤと冬タイヤの履き替えが必要となる降雪地帯の場合、取り巻く環境はより複雑だ。近年、冬場の降雪日数は減少傾向にあり、アスファルトの上を走る時間が増え、スタッドレスタイヤが摩耗しやすい傾向もみられる。その反面、日あたりの降雪量が増えていて、どか雪が積もることも。

そんな環境の変化を見据えてトーヨータイヤが開発したのがトラック・バス用スタッドレスタイヤ『M939』だ。従来品のM929と比較して、雪やアイス路面の“効き”の向上と、摩耗ライフの“持ち”を両立。この両立のために偏摩耗を抑制し、氷雪上における効きを備えながらも、メンテナンスに手の掛からないタイヤは、働く現場や物流会社がいま直面している課題に寄り添う画期的なコンセプトといえる。

氷雪上性能を犠牲にせずに摩耗性能を高める、相反する性能を両立させたトーヨータイヤの技術力

雪や氷におけるグリップ性能の確保、それとは背反するはずの耐摩耗性を両立してみせた秘密はトレッドパターンの設計にある。まず、雪上でグリップを高めるのは周方向に並行に刻まれた4本の主溝で、雪やシャーベットの目詰まりを抑制する。アイス路面については、周方向に長く連結させたブロックが倒れ込みを抑制して接地領域を増やせるほか、ブロック内の波型サイプを高密度に配置したことがエッジ効果をもたらす。従来のM929と比較すると、サイプの総延長を13%も増やしたそうだ。

一方で、耐偏摩耗性能を向上させたのは、ワイドセンターブロックと周方向連結ブロック。接地圧力が高いトレッド面のセンター部のブロック幅を拡げ、幅方向の圧力を均一に分散させる。大型化された周方向連結ブロックは、従来と比べ36%も剛性を高めたことで、接地する際の過度な動きが抑制され、偏摩耗の発生を低減させるという。

これらの技術によって、アイス路面でブレーキを掛けた際の制動距離は約4%短縮。厳しい条件の中、減速直前の車速が高いほどそのメリットは増すだろう。さらに、突出して進化したのは偏摩耗の抑制効果で、M929と比較して45%も低減されているという。ローテーションやタイヤ交換作業を行う機会も少なくて済みそうだ。

プロが認める優れたトータルバランス、低メンテナンス性=低コストな運用も可能:株式会社エスワイプロモーションさま

今回は先行で『M939』を使用している物流会社にお話を伺わせていただくことになった。訪れたのは株式会社エスワイプロモーション 札幌営業所。車体に塗られた白と青のコーポレートカラーが銀世界に映えていた。

藤島
「御社の営業内容を教えてください。」

「弊社はトラックやタンクローリーで輸送を行うほか、海運事業部、輸出入の通関手続きを行う国際事業部で構成されています。トラック事業は、北海道内では札幌営業所、札幌北事務所、帯広、白老SPセンターを含め、4つの拠点で運用。札幌営業所で輸送に使うのは冷凍・冷蔵車とタンク車。道内各地から港に運び、道外向けのモーダルシフト、いわゆるフェリーを使って、関東、関西、九州に向けに輸送する業務を行っています。運ぶ荷物は冷凍食品、夏場は野菜も輸送します。」

「フェリーはシャーシを切り離した無人輸送で行い、港に到着した先は協力会社に運んでいただく形です。道内輸送において、トラクターヘッドでけん引するのは13mの冷凍・冷蔵トレーラーやウイングトレーラーです。海運事業部では、船と輸送を繋げる事業も行っています。タンクローリー事業は白老に荷主様と共同設立したタンクヤードがあり、そこで植物油を積み、惣菜関係のセントラルキッチンなど、道内の拠点に納めさせていただく内容です。タンクローリーは600ℓ~2万6千ℓまで幅広く扱っています。」

藤島
「安定的な運行が難しい時もあるのでは?」

斉藤
「釧路・帯広方面を往復したり、夏も走れば冬も走ります。今は安全第一の時代なので、大荒れの予報が出たら事前に行けるか否かを判断します。ただ、輸送先が工場の場合、納品が間に合わないと工場が停まってしまいます。」

藤島
「難しい状況ですね。『M939』はどんな環境で使われていますか?」

斉藤
「M939はトラクターヘッドへの装着が中心となります。運行は、道東から港へ、港から札幌市内、函館港から士別に荷物を運ぶ場合もあります。以前より峠越えは減り、高速道路主体で走行しています。」

関口
「北海道は圧雪路もあれば、港でブラックアイスバーンが発生する場所も。降雪量は少ない時もあれば、小樽や石狩など、大雪で酷い状態が続くこともあります。」

「氷や雪の上ではグリップするタイヤの方が安心感は高まりそうですね。」

斉藤
「乗務員からは“グリップがしっかりしていてスムーズに発進ができ、安定した状態で走れる”とか、“摩耗が少なく、持ちがいい”という声が挙がっています。段減りも発生しにくく、均一に減って偏摩耗も抑えられているようです。特に今回のM939はトータルバランスが優れたタイヤという印象です。冬性能などスタッドレスに期待する性能も重要ですが、交換頻度が減りコストが抑えられたら嬉しいもの。1年を通して履くのを想定すると、長持ちする方がいい。あと、雪が融けて路面がウェットになる日もありますが、ウェット性能もうまくバランスしているイメージです。」

藤島
「履き替えはいつ行っていますか?」

斉藤
「10月から始めて3ヶ月で全車が終了。段取りよくやらないと間に合いません。札幌営業所には点検整備の担当者がいるので、車両が戻るとタイヤの減りを確認します。一つ一つのシャーシのタイヤを交換するとなれば、作業に掛ける時間もコストも大幅に増えます。」

関口
「トレーラーは転回時に後輪がロックしたり、ハンドルをこじって段減りしがちです。積み荷の状況も影響しますが、大型車は積載状態で22tの重量がタイヤにかかるとグリップし、荷物を降ろすと7t程度となり、リヤ側がスタックしやすい傾向に。そうならないように、走らせることが重要です。」

斉藤
「タンクローリーはブレーキで液体が前後に揺れますし、冬場は止まりきれない場合もあって注意が必要です。ホワイトアウトで視界が遮られることを想定すると、しっかり曲がる、止まることは重要です。アスファルトでは摩耗を抑えたいですが、雪や氷ではグリップが欲しい。10月に新品のスタッドレスを履くと、通常は夏の熱さで一年持たず、7月~10月を夏タイヤで凌ぎ、10月にスタッドレスに履き替える形になります。」

藤島
「摩耗ライフが作業頻度とコストを左右しますね。」

関口
「整備担当を置けない営業所では、トーヨータイヤのメンテナンスサポートを利用しています。適切なタイミングで点検、交換など、タイヤにまつわるサービスを安定的に提供してくれる点にメリットを感じています。」

藤島
「人手不足でタイヤを管理するのは大変ですね。」

関口
「ドライバー不足の対策としては、通常よりも長い3軸シャーシを導入するなど、パレットが多く積める車両を増やしました。整備管理者はクルマ全体をみなければならず、特にタイヤの整備は経験がないと難しい。100台を超える営業所を一人で管理するのは非現実的です。人や時間が確保できなければ予備車を持つ時代がくると思っています。でも、お金を稼ぐはずのクルマが眠っているのは安くない出費ですね。」

藤島
「人と時間が鍵を握る。M939はその一助となりそうですね。」

安全運行も大事、信頼も大切にしたい。物流業界が置かれている課題に目を向け、『タイヤメーカーだからできること』に着手した『M939』。物流業界を足元から支える存在になっていってほしい。

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藤島知子|モータージャーナリスト
幼い頃からのクルマ好きが高じて、2002年からワンメイクレースに参戦。市販車からフォーミュラカーに至るまで、ジャンルを問わず、さまざまなレースに参戦。2007年にはマツダロードスターレースで女性初のクラス優勝を獲得。現在はクルマの楽しさを少しでも多くの人に伝えようと、自動車専門誌、一般誌、TV、ウェブ媒体を通じて活動中。走り好きの目線と女性の目線という両方向からカーライフ全般をサポートしている。

タイヤで“物流課題”の解決をアシスト、氷雪上性能と摩耗性能を高次元で両立したトーヨータイヤのトラック・バス用スタッドレス『M939』 が登場

《藤島知子》

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