早くも真夏の暑さ、自動車整備・鈑金塗装などの現場ですぐ実践してほしい 厚生労働省の最新版「熱中症対策」ガイドラインのポイント | CAR CARE PLUS

早くも真夏の暑さ、自動車整備・鈑金塗装などの現場ですぐ実践してほしい 厚生労働省の最新版「熱中症対策」ガイドラインのポイント

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早くも真夏の暑さ、自動車整備・鈑金塗装などの現場ですぐ実践してほしい 厚生労働省の最新版「熱中症対策」ガイドラインのポイント
早くも真夏の暑さ、自動車整備・鈑金塗装などの現場ですぐ実践してほしい 厚生労働省の最新版「熱中症対策」ガイドラインのポイント 全 12 枚 拡大写真

まだ5月だというのに、日によっては真夏かと思うほど汗ばむ日が増えてきました。自動車整備や鈑金塗装といった自動車アフターマーケット事業者の作業現場では、エンジンの余熱や塗装ブース内が密閉環境だったりと、熱中症のリスクが非常に高い職場環境のため、早めに「熱中症対策」を行うことが重要だと言えるでしょう。

2025年6月1日から改正労働安全衛生規則に基づく「職場における熱中症対策の義務化」が施行されましたが、実は、2026年3月末に「職場における熱中症防止のためのガイドライン」が改訂・更新されています。その内容をきちんと把握できていない自動車アフターマーケット事業者は意外と多いのではないでしょうか? 

2026年3月末に「職場における熱中症防止のためのガイドライン」および「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」が改訂・更新されました
熱中症の原因と発生しやすい職場の条件(出典:厚生労働省 「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2」より抜粋
2025年6月1日から改正労働安全衛生規則に基づく「職場における熱中症対策の義務化」が施行され、3つのアクションが事業者に義務付けられています

国が示した指針には、これまでの注意喚起から一歩踏み込んだ「具体的な行動ルール」が追加されています。本記事では、自動車整備や鈑金塗装の現場に限らず、幅広い自動車アフターマーケット関連サービスに携わる事業者に向けて、最新版の熱中症対策情報と、なるべく早めに現場で実践してほしい取り組みをピンポイントで解説します。


26年最新ガイドライン「3つの重要ルール」

国が示した最新の指針では、「気分が悪くなったら言ってね」という個人の裁量に任せる声掛けだけでは不十分とされています。特に以下の3点が強く求められるようになりました。

「事前」の緊急時対応マニュアル作成
誰が・誰に・どう連絡し、どこの病院へ運ぶかという報告体制の事前整備が必須となりました。自社スタッフ全員への周知・共有が事業者に求められています。

体調不良者は「絶対に一人にしない」
体調を崩したスタッフを涼しい場所へ移した後、一時的に回復したように見えても、容態の急変に備えて常に誰かが付き添うことが明確に指示されました。

暑さ指数(WBGT値)に基づく「原則、作業中止」
暑さ指数が基準を大幅に超える場合、「原則として作業を行わない」という踏み込んだ表現が追加されています。

「あやまった行動」が危険な状態を招く(出典:厚生労働省 「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2」より抜粋

現場ですぐ取り組むべき熱中症対策

本格的な夏を迎える前に、自動車業界の現場で優先して取り組むことが望まれる対策をピックアップします。

① 計画的な 暑熱順化(しょねつじゅんか)
5月の今から意識したいのが「体を暑さに慣らすこと」です。特に、入社間もない新人スタッフや連休明けのタイミングは軽い作業からスタートし、無理なくステップアップさせることが大切です。

暑熱順化=暑さに慣れる(出典:厚生労働省 「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2」より抜粋
暑熱順化トレーニング(出典:厚生労働省 「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2」より抜粋

② 「プレクーリング」や「ファン付き作業服」の活用
作業開始前にアイススラリー(微細な氷が混ざった飲料)を飲んだり、首元を冷やしたりして、あらかじめ深部体温を下げておく「プレクーリング」が極めて有効です。また、発汗を抑えて体温上昇を約15分遅らせる効果がある「ファン付き作業服」の着用も改めて推奨されています。

プレクーリンクで体温上昇を緩やかにする(出典:厚生労働省 「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2」より抜粋
アイススラリーとは氷状態の飲料。氷の結晶が小さいため飲みやすく、水よりも冷却能力がある(出典:厚生労働省 「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2」より抜粋

③ 水分・塩分の「20~30分ルール」
喉が渇く前に水分補給を行うのが基本です。少なくとも0.1%~0.2%の食塩水や、ナトリウムの含有量が40~80mg/100ml のスポーツドリンク、または経口補水液等を20~30分ごとにコップ1~2杯程度摂取することが望ましいとされています。水分を摂らず、塩飴だけを舐めても効果はないと、厚生労働省が公開している「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2には記されています。

水分補給の注意点(出典:厚生労働省 「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」令和8年3月Ver.2」より抜粋

経営者・管理者に求められる「工場環境」アップデート

厚生労働省が公開している「STOP! 熱中症 クールワークキャンペーン」に基づいて、経営者や管理責任者は、以下の取り組みや見直しの検討が望まれます。

休憩場所のアップデート
単なる日陰だけでなく、氷、冷たいおしぼり、身体冷却用デバイス(冷却ベスト等)の常備

緊急連絡先の掲示
休憩室や工場内の目立つ場所に、近隣の救急病院の電話番号と住所を大きく貼り出す

単独作業の禁止
WBGT値が高い時間帯は、互いに顔色を確認し合える「ペア作業」を徹底する。

令和8年5月1日から9月30日まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン(職場における熱中症予防対策)」期間です

自社スタッフとカーオーナーのために

自動車整備工場や鈑金塗装工場をはじめとする、幅広い自動車アフターマーケット事業者は、カーオーナーである顧客から預かっている大切な車両の整備や点検、車検、修理のほか、洗車やボディーコーティング施工などのカーケアに至るまで、適切に正しく高品質に行うためには、現場スタッフの健康と安全が第一です。

厚生労働省が公開している最新版の「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド(令和8年3月Ver.2)」をチェックするだけでなく、同ガイドを印刷して自社工場内の休憩所に掲示するなど、経営者や工場長といった管理責任者は、現場スタッフの全員が自然に熱中症対策を行えるように、職場環境の見直しやアップデートに取り組むことが求められています。

▶︎ 厚生労働省 公式サイト「職場における熱中症予情報」公開中 https://neccyusho.mhlw.go.jp/

厚生労働省は「職場における熱中症対策情報」Webサイトで公開中

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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