全国平均のレギュラーガソリン価格が、これまでの最高値(185.1円)に迫るほどの高騰を抑制するため、政府・与党は、9月末で終了予定だった石油元売りに支払う補助金を年内をめどに当面は継続し、全国平均のレギュラーガソリン価格を1リットルあたり170円台までに抑える方向で調整に入ったという。
政府関係者が明らかにしたもので、きょうの各紙も1面などで報じているが、読売、毎日、産経は「170円台に抑制」、朝日も「170円台まで」としているのに対し、日経は「180円未満に抑制」としており、180円を超えないことでは記事の内容に大差がないが、見出しから消費者に与えるニュアンスは微妙に異なる。
政府は2022年1月からガソリンや軽油、灯油など燃料価格の激変緩和策として石油元売りに補助金を支払って、卸値に反映させる形で、販売価格の上昇を抑えてきたが、6月から補助を段階的に縮小し、8月24日から1週間の補助額はわずか10円。このため、8月21日時点の全国平均のレギュラーガソリン価格は、14週連続で上昇し、183.7円まで高騰していたという。
もっとも、ガソリン税の上乗せ分(25.1円)の課税を停止する、いわゆる「トリガー条項」の凍結を解除すれば、ガソリン価格は160円台、それ以下も可能になる。だが、政府・与党の間では「170円台に抑制」という方針で調整中ということは、その発動に消極的なようで、消費者は高止まりのままの状態で、しばらくは耐え忍ぶことにもなる。国内の自動車市場は、中古車販売大手による自動車保険の水増し疑惑などイメージダウンにつなる問題が山積する中で、ガソリン価格の高騰が続ければ、クルマ離れも懸念される。
2023年8月29日付
●ガソリン170円台に抑制、政府調整、年末まで補助拡充(読売・2面)
●損保ジャパン、車保険料上げ見送り(読売・7面)
●処理水深まる日中亀裂、東電にも迷惑電話6000件、外務省「渡航注意」、中国政府の強硬姿勢影響(朝日・1面)
●EV利便性向上、充電設備30万台(毎日・7面)
●損保ジャパン、ビッグモーター不正発覚後、社長が取引再開促す(産経・12面)
●中国、新車値下げ合戦再び、VW系やテスラ、7月販売低迷で需要喚起(日経・12面)
●AESC、ホンダに供給、EV電池、マツダやBMWにも、日産以外、5割に上げ(日経・15面)
●ホンダファイナンス、社債400億円発行へ(日経・17面)