電動モビリティ向けのスマート電池システムを開発・製造するフランスの Forsee Power 社(本社:フランス、イヴリー=シュル=セーヌ/クリストフ・ガートナーCEO)は、このほど、神奈川県横浜市に日本支社「Forsee Power JAPAN合同会社」と川崎市にテクニカルサービスラボの設立を発表。都内の在日フランス大使館にて、記者会見を行った。
FORSEE POWER社とは?
Forsee Power 社は、持続可能な電動モビリティ(二輪、三輪、商用車、バス、鉄道、船舶)向けのスマートバッテリーシステムの製造・開発を専門とするフランスの企業グループで、ヨーロッパ、アジア、北米において事業展開を行っており、電池セルを採用したエネルギーマネジメントシステムの設計、開発、量産、供給から現地での据付、試運転、メンテナンスなども提供している。
会見でクリストフ・ガートナーCEOは、これまでに世界で2,500台(中国を除く)以上のバスと10万台以上の二輪等の小型モビリティに同社のバッテリーが搭載されていることを説明した上で「私たちには世界中でお客様と強固な関係を築き、輸送セクターの脱炭素化を促進させるという国際戦略があります。その重要なステップとして2017年から株主であり戦略的パートナーである三井物産様の支援により、世界をリードする日本のOEM企業との事業も加速させてきました」と話し、日本市場との関わりについても述べた。
日本での事業展開を加速
前述したように、Forsee Power社は小型および大型の電動モビリティを対象としたバッテリー市場において、国際的に確固たるポジションを築いているが、拡大を続ける日本市場での事業展開の加速と顧客対応の観点から、2023年2月に神奈川県横浜市に日本法人である「Forsee Power Japan合同会社」の設立と同時に、川崎市にバッテリーの修理サービスや顧客の電動車両の設計開発などをサポートするテクニカルサービスラボを開設したことを発表した。
同社の日本マネージングダイレクター兼APAC営業統括責任者の東謙二郎氏は「日本の車両メーカーや発電機メーカーの皆様と共に、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいきます。また我々にとってパートナーシップは事業の根幹でもあります。2017年から戦略的パートナーとして様々なご支援を頂いている三井物産様を始め、多くの企業の皆様の力があったからこそ、本日の発表に至ることができました。種まきから始まり、いくつかの案件が芽を出し、機は熟したと思っています。今後の日本での展開にぜひご期待ください」と語り、日本企業との具体的なバッテリー採用例について、クボタ、井関農機、カワサキモータースなどの事例が紹介された。
また東氏は、今後の日本市場における戦略について、短期的には二輪や建機、長期的にはトラックやバスなどの大型の電動モビリティ領域にも意欲を見せた。電動化が進む業界の中で、同社のような電動モビリティのバッテリー領域における国際的なリーディングカンパニーの日本市場への今後の動向が注目される。