愛車のボディにスジ状や円形の汚れが付着しているのを見たことは無いだろうか。これが水アカでシャンプーだけでは落としきれないことも多い。そこで通常の洗車とは別に水アカ処理を実施しよう。
◆水アカとは?
クルマの洗車を定期的に行っているユーザーならあまり気にしたことが無いかも知れないが、ちょっと洗車をサボっているとなんだかクルマのボディが薄汚れて感じてしまうことがある。しかもあらためてシャンプーをしてもボディがどうにもピカピカになった感じがしない……、そんなモヤモヤを感じたことがあるドライバーもいるんじゃないだろうか?
その原因になっている大きな要因が水アカなのだ。では水アカとはいったいなんなのだろう? 家のキッチンやバスルームの水栓部分を思い浮かべて欲しい、まわりに白くこびりついた汚れを見たことがあるだろう、これが水アカだ。家庭での水アカの原因は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分。飛び散った水が蒸発したあとにこれらの成分だけが残ったのが水アカとして堆積していくのだ。
◆クルマでも水アカが発生する
クルマでもこの水アカが発生してしまう。例えば雨の日の走行していて、そのままボディが乾燥すると水分だけは蒸発してしまうのだが、雨水や走行中に巻き上げた水の中に含まれていた汚れやさまざまな不純物がボディに残ってしまうのだ。また水道水でも同様のことが起きる。先に紹介した家庭での水アカと同じく水道水でボディをすすいで、しっかりと拭き取りをせずに乾燥させてしまった場合、水道水に含まれているミネラル成分がボディに付着して残り水アカの原因になってしまうのだ。さらにワックスやコーティング剤などの油性の成分も古くなってこびりついてしまうケースもある。それらを総称してクルマの世界では水アカと呼んでいる。
この水アカがやっかいなのは水洗いではなかなか落ちない点だ。これは先に紹介した家庭での水アカを思い浮かべると良くわかるだろう。洗剤で少しこすったぐらいでは取れないのを経験したユーザーも多いはず。もちろん水アカが付着してすぐの段階であれば普段使っているシャンプーで洗えばきれいさっぱりと水アカは落とせるのだが、時間が経ってこびりついてしまうと通常のシャンプーだけでは落ちないケースが多い。せっかく週末に時間を作って車体をシャンプーで丹念に洗っても、水ですすいでみると水アカがあちこちに残っていることもある、これでは洗車した満足感を得にくい。
◆水アカクリーナーを使おう
そこで、シャンプーでは落とせなくなってしまった水アカを除去する方法を考えてみよう。いつも使っているシャンプーでは落ちない水アカを除去するにはカー用の水アカクリーナーが効果的だ。
成分で大きく分けるとコンパウンド入りとコンパウンド無しの2種類になる。ボディへのダメージが心配というユーザーにはコンパウンド(研磨剤)を含まないタイプがおすすめだろう。各社のクリーナーでその成分は異なるが、水アカを分解する成分、溶解する成分を含んでいる場合が多い。界面活性剤(汚れ落としの性質を持った成分、石けんも界面活性剤の一種)の能力を高めたクリーナーもあり、これらの作用で従来のシャンプーよりも強力に水アカを除去できるのが水アカクリーナーだ。
使い方はいたって簡単だ、タオルやウエスなどに水アカクリーナーを付けて(液体やスプレーなど)、水アカが気になる部分を軽くこすって除去していく。その上で水洗い、さらにはボディ全体をシャンプーして仕上げれば良いだろう。
一方、コンパウンドを含むクリーナーもあるが、こちらはがんこな水アカに用いる。コンパウンド(研磨剤)が含まれているので、ボディ表面に付着した汚れを根こそぎ削り取ってしまう(研磨する)のが特徴。ただし、クリーナーに含まれているコンパウンドはボディへのダメージを最小限にしたものなので、よほど同じ部分をしつこく磨いたり、ひんぱんに同様のクリーナーを使用しなければボディを痛めてしまう心配は無い。スピーディにがんこな水アカを除去するにはひとつの選択肢だ。
◆付着しない予防策を
このように、こびりつくと面倒な水アカ。後処理を考えると、付着しない予防策を講じるのが賢いやり方だ。水アカを付着しにくくするには、洗車後に濡れたボディをそのまま自然乾燥させずにマイクロファイバーなどを使って拭き上げること。一方で、屋根付きガレージでも無い限り雨でボディが濡れてしまうのは防ぎようが無い。そんな時には水アカになってしまう前に定期的なシャンプーを実施することで予防することができる。雨の日の走行後も同様に、早めの洗車で対策すると良いだろう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。