スバルの大崎篤代表取締役社長CEOは5月13日、新体制方針アップデートを発表し、環境変化に対応するためのバッテリーEV(BEV)への移行戦略について語った。
◆柔軟に対応、一気に拡張
大崎社長は「カーボンニュートラル実現に向けた手段として、中長期的な視点では、いずれはBEVが主軸になっていくと見ており、足元2025年から26年はBEV移行初期にあたる」としている。
スバルでは「先行きを見通すことが難しい段階では、規制やマーケットの動向を注視しながら、その変化に“柔軟”に対応し、ある程度方向性が見えてきた断面では一気に“拡張”していく」(大崎社長)という“柔軟性と拡張性”の観点が極めて重要との認識をもって、各種取り組みを推進している。
◆BEVを4車種、トヨタと共同開発&生産
BEVの開発においては、トヨタ自動車との共同開発を進め、2026年末までに4車種をラインアップする予定だ。スバルの矢島工場で生産されるBEVはトヨタにも供給される。また、トヨタの米国工場で生産されるBEVもスバルに供給されることになっている。
「共同開発や、相互生産、相互供給により、トヨタ自動車と共にリスクを軽減し、開発および生産領域の“柔軟性”を確保する」(大崎社長)
◆クロストレックにe-BOXER設定へ
HEV商品に関しては、トヨタハイブリッドシステムをベースにした次世代「e-BOXER」を次期『フォレスター』に搭載することは発表済みだが、今回新たに『クロストレック』への展開も明らかにされた。「商品の柔軟性を高め、顧客の選択肢を増やす」(大崎社長)。
生産工場の面では、次世代e-BOXERの基幹ユニットであるトランスアクスルの生産を2024年秋に北本工場で開始する。また、矢島工場ではガソリンエンジン車とBEVの混流生産を行い、需要に応じた生産の“柔軟性”を確保する方針だ。