まるで下駄などのつっかけサンダルからカジュアルなスニーカーやウォーキングシューズに履き替わったようなものだろう。「地方の足」とも呼ばれている軽自動車の平均価格が約20年前の2004年の101万3250円に比べ、約6割も上昇して160万円台になっているそうだ。
総務省が販売台数の多い複数車種を基に、平均価格を算出している「小売物価統計調査」で分かったもので、5月19日付けの毎日や東京が共同配信の記事として「軽自動車、20年で6割値上がり」などと報じていた。
それによると、軽自動車の平均価格は2003年に100万円の大台を初めて超え、2020年には150万円を突破したほか、昨年は157万9976円だったという。
さらに、2024年1~4月の平均価格は各月とも162万4308円で、年間平均でも初の160万円台が視野に入るという。自動ブレーキなど安全装備の充実のほか、原材料費の高騰が影響しているとみられており、販売台数は底堅く推移しているものの「物価高に加え賃金が伸び悩む中、大幅な値上がりは家計の重荷になりそうだ」とも指摘している。
国税庁の調査によると、2022年の民間企業の平均給与は457万6000円で、約20年前の2004年に比べると、わずか4%程度の増加にとどまり、物価変動を加味した実質賃金は24か月連続のマイナスで、比較可能な1991年以降で、過去最長を記録している。庶民の味方と思われていた軽自動車も手が届きにくい“高嶺の花”となりつつあるようだ。
2024年5月20日付
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