まさに踏んだり蹴ったりの「大阪・関西万博」のようである。2025年4月から大阪市で開催予定の「2025年国際博覧会(大阪・関西万博)」の大きな目玉の一つとされる「空飛ぶクルマ」を開発するベンチャー企業の「スカイドライブ」が、その万博では乗客を乗せた「商用運航」を見送ると発表。機体の開発計画などを精査した結果、客を乗せない「デモフライト」にとどめる方針を決めたという。
きょうの朝日なども「『空飛ぶクルマ』客なしデモのみ」などと取り上げている。また、大阪市の横山英幸市長も、スカイドライブが「空飛ぶクルマ」の商用運航を見送ると表明したことについて「非常に残念だ」と前置きして「空飛ぶクルマが飛べないわけではない。(来場者に)実際に飛行している姿をご覧いただきたい」などと述べたとも伝えられている。
スカイドライブの空飛ぶクルマは全長約11.5メートルのパイロットを含めて3人乗りの電動の機体で、垂直に離着陸する。26年以降に量産に必要な「型式証明」を日本で取得し、商用運航を始める方針で、大阪万博でも実際に乗客を乗せて“お披露目”する予定だった。だが、1機ごとに安全性や環境適合性が国の基準を満たすことを示す「耐空証明」が必要になるが、現状の開発計画を踏まえて、「万博までにこの証明を取得するのが難しい」と判断、客を乗せないデモフライトにすることを決めたという。
万博では同社のほか、ANAホールディングス(HD)などのグループと、日本航空、丸紅がそれぞれ運航事業者に選ばれている。すでに公表している丸紅とともに、半数が「デモフライト」にとどまる見通しで、「ドローン」との差別化も困難になるだろう。
大阪・関西万博では2か国が万博からの撤退を表明しているほか、出展予定の国の中には、建設費の高騰などでこれまでに7か国が独自のパビリオンを断念。いまだに12か国は建設業者が決まらず、今後も独自パビリオンを断念する国が増える可能性も懸念されており、“強行開催”に批判的な声も上がっている。
2024年6月18日付
●EV用タイヤ続々投入、交換用に需要高まり、耐摩耗や燃費重点(読売・7面)
●「空飛ぶクルマ」客なしデモのみ、万博、愛知の企業(朝日・25面)
●車修理工賃上げ、30年ぶり交渉へ、整備工場団体、4損保と(朝日・26面)
●ルマン、トヨタ7号車2位 (毎日・15面)
●曲がる太陽電池積極投資、キヤノン、劣化を防ぐ素材、ENEOSは主原料増産 (日経・1面)
●スズキ、ティアフォーと資本提携 (日経・13面)
●総会本格化、27日ピーク、トヨタ、認証不正など焦点(日経・16面)