3代目『ゴルフ』の日本での発売開始は1992年4月16日。今から実に32年前のこと、手元にあるこの時のプレスリリースには、まだヤナセとVAJ(フォルクスワーゲンアウディ日本=当時)の名が併記されている。
「それは、変化ではない。進化です。」……そうコピーのある“3”のカタログは、白地にクルマの姿を大きく扱ったシンプルな体裁。最初の見開きには“1”“2”のゴルフの正面視の写真が載せられ、1、2世代と続いた丸型ヘッドライトがこの“3”では異形となったことを示していた。
2ボックスのスタイルは当然、それまでを踏襲、ボディサイズも全長こそ4mを20mmだけ超えたものの、全幅は日本の5ナンバーサイズに収まる1695mmをキープした。
インテリアでは曲線を採り入れたインパネの採用しつつも、合理的な室内空間を確保。ラゲッジスペースは330から後席を倒した場合は1162リットルに拡大した。
当初は1.8リットルと2リットルの2機種のエンジンでスタート。さらに2リットルのDOHC・16バルブ(145ps/18.3kgm)搭載の「GTI 16V」、2.8リットルの狭角V型6気筒(170ps/23.9kgm)搭載の「VR6」を設定。
ボディタイプでは、初のモデルチェンジで一新されたカブリオ、最大1425リットルのラゲッジスペースが確保できたゴルフ初のワゴン、さらにゴルフの3BOXセダン版で車名を『ジェッタ』から改めた『ヴェント』も用意。ファミリーとしてのバリエーションが拡大した世代でもあった。